toddle 田渕ひさ子が語る、楽曲とリスナーの“距離感”「何も装わず、そのまま素直に表現している」

toddle 田渕ひさ子が語る、楽曲とリスナーとの距離感

「“バンドとなり”がちゃんと反映されている」

ーー曲を書くことは、田渕さん自身の人生にとっても大きな意味があるんですね。

田渕:もちろん曲としてアウトプットするときは、個人的なことだけではなくて、聴いてくれる人みんなに当てはまる言葉を選ぼうと思ってますけどね。ただ、曲のタイトルを考えるのはホントに苦手なんですよ。だから、歌詞の内容を抜粋したり、音楽的なイメージを愛ちゃんに話して、それをネイティブ目線の英語にしてもらってるんです。愛ちゃん、厳しいんですよ。「それは英語的におかしい」とか「その言い方は“日本語英語”だよ」とか。彼女はアメリカ人の友達も多いから、英語の歌詞もぜんぶチェックしてもらってるんですよ。

ーーそこは厳密なんですね(笑)。「Vacantly」というアルバムのタイトルについては?

田渕:同じタイトルの曲が入ってるんですけど、これだけ最初からタイトルが付いてたんです。もともとは個人的にインストとして作っていた曲なんですけど、バンドに持っていてアレンジしたら、すごくイイ感じになって。アルバムのなかでも濃い曲というか、力のある曲だなと思ったので、「『Vacantly』ってタイトル、良くない?」ってなって。

ーー“ぼんやりしている”という意味合いも、toddleのナチュラルな雰囲気に合ってると思います。本当に素晴らしい作品だと思うし、「toddleは自分の人生に必要だ」と改めて実感したんじゃないですか?

田渕:ハハハハハ(笑)。でも、そうですね。メンバーのことも好きだし…。しばらく会ってないと「会いたいな」って思うんですよ。「みんなのキレキレの会話が聞きたい」とか(笑)。ユルさとシリアスな感じのバランスだったり、CDジャケットの絵もそうなんですけど、バンドの雰囲気はこのアルバムにもすごく出てると思いますね。メンバーの人となり、toddleの“バンドとなり”がちゃんと反映されているし、聴いてると“そのまんまやん!”って思うので。何て言うか、作ってる感がないんですよね。何も装わず、そのまま素直に表現しているんだなって。

ーーすべてが自然ですよね、ホントに。

田渕:そんなにキツイ感じでやってるわけではないですからね。「toddleをいちばんに考えて」なんて約束事もないし、それぞれが別の場所で得たことを持ち帰って、自由にやるっていう。10年以上活動してきて、そういうふうになりましたね。

ーーアルバムの新曲をライブで演奏することで、また新しい変化が生まれそうですよね。

田渕:リリース前にライブでやってる曲は2曲くらいしかないから、ほとんどが初めてやる感じなんですよ。いま、リリース後のライブに向けて超マジメに練習してるところです。おしゃべりの時間も惜しんで(笑)、アルバムの1曲目からダーッとやったり。

ーーバンドで演奏してみて、何か感じることはありますか?

田渕:そうですね……。toddleって「アルバムごとに変化したい」とか「リスナーを裏切りたい、いい意味で」みたいなことはぜんぜんないんですよ。かといって金太郎飴でもなく、「少しずつ、いい感じに攻めてるな」って思いましたね。すごく攻撃的でも革命的でもないけど、現状維持でもなく。結果としていい感じに進めたアルバムになったので、良かったなって思います。

(取材・文=森朋之)

■リリース情報
『Vacantly』
発売:2016年7月27日
価格:¥2,600(税抜)

■ライブ情報
『toddle presents 「world wide waddle」
『Vacantly』発売記念ワンマン』
8月7日(日) 東京 渋谷TSUYATA O-nest

『toddle『Vacantly』レコ発ツアー』
8月14日(日) 鹿児島 SR HALL
8月16日(火) 佐賀 ROCK RIDE
9月3日(土) 仙台 Flyng Son
9月4日(日) 山形 sandinista
9月19日(月・祝) 松江 B1
11月3日(木・祝) 松本 give me little more.
11月20日(日) 名古屋HUCK FINN
11月25日(金) 札幌 spiritual lounge
11月26日(土) 苫小牧 ELLCUBE

■オフィシャルHP
http://toddle.to/

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