SCREEN modeが挑む、「アニソン」の再定義「流行りの要素を使わずに曲を組み立てたい」

SCREEN mode、「アニソン」再定義を語る

20160727-sm5.jpg
勇-YOU-

「自分の体を使ってストリート・ファイトを見せられた」(勇-YOU-)

ーー「ROUGH DIAMONDS」の歌詞は、松井洋平さん。これまで何度もタッグを組んでます。

雅友:彼は原作をめっちゃ読み込んで歌詞を書くんですよ。サビのフレーズが<SHOCK WAVE! SHOCK WAVE!>じゃないですか。それは、“食”にかけてるんですよ。料理のアニメなんで。

ーー今気づきました(笑)。そうか!

雅友:あと、ジャンプアニメだから、それこそ『北斗の拳』みたいな感じでとか、松井さんも言っていて。俺もそれは、感覚としてあったんですよ。『聖闘士聖矢』の曲とか、ストレートなロックでかっこいいじゃないですか。今みんながやらないスタイルで。そういうのも意識していたんだけど、特にそういうことも言っていないのに、松井さんとシンクロしたんですよね。

ーー脈々と続く、週刊少年ジャンプならではのテーマ性。確かにありますね。

雅友:アニメ側からも、“料理のアニメだと思わずに、バトルのアニメだと思ってやってくれ”と言われたので、それもあって。

勇-YOU-:松井さんの歌詞も、非常に熱量がありました。話は飛んじゃいますけど、今回のミュージックビデオでは、ストリート・ファイトをやるというテーマがあったんですよ。

ーーあれ、すごいです。びっくりしました。勇-YOU-さんが体を張る、アクションシーンの迫力がすごい。

勇-YOU-:あれは雅友さんの発案です。曲のテーマが、“何度倒れても、起き上がって挑戦していく”というテーマだったので、それを一番打ち出しやすいのは何か?となった時に、ボクシングのストリート・ファイトというところに行きついて、やらせてもらいました。歌唱パートを3時間かけて撮って、そのあと9時間ぶっとおしでストリート・ファイトのシーンを撮ったんですけど、今までのMVの収録の中で一番タフな仕事だったなと思いますね。

雅友:頭痛薬を飲みながら。

勇-YOU-:殴られる時に、思いっきり首を振りぬかないと、殴られたふうに見えないんですよ。それをずっとやってたら、頭がガンガンしてきて、頭痛薬を飲んで頑張りました。でも途中からアドレナリンが出てきて、すごく楽しくなってきましたね。SCREEN modeの熱量を立体的に感じてもらうという自分なりの思いがあって、スタントなしで、自分の体を使ってストリート・ファイトを見せられたのは、すごくやりがいがありました。

ーーこれは必見ですよ。ミュージシャンがやることをはるかに超えてる。

勇-YOU-:でも無事に無傷で終えたんで。全身筋肉痛にはなりましたけど(笑)。

雅友:やっぱりね、ぎりぎりに追い込まれた時に、人間の本性は出るんですよ。だから監督には、“手加減せずにぎりぎりのところまで追い込んでください”って。

勇-YOU-:雅友さん、助監督みたいな感じで。ドSですよ(笑)。

雅友:総合演出というか(笑)。『全力坂』で、女子が一生懸命走るのがいいみたいな感じ、あるじゃないですか。勇-YOU-がぎりぎりまで追い込まれて見せる本性が、見たかったんですよね。実際には殴られてはいないけど、けっこう当たってるし、体力的にもあれだけのことを10時間近くやって、最後はへろへろになってたんで。お芝居じゃなくて、本当の極限感が見る人にも伝わったら、感動につながるんじゃないかと思って、そういう作品になりましたね。

SCREEN mode / ROUGH DIAMONDS - MV Full Size Ver.

ーーカップリングにもひとこと。「IMPACT」は、EDMの要素を取り込んだ、スケールの大きなダンス・ロック・チューン。そして、文化放送の、リオデジャネイロ情報番組のテーマ曲。

雅友:これはアスリートの応援歌というか、彼らの熱意を少しでもプッシュできたらいいなというのが最初にありました。それと、僕らは海外でも何度かライブをやらせてもらっているんですけど、エイトビートの速い曲って、外国の人に聴かせるにはちょっと速すぎるかな?というのが、肌感覚としてあったんですよ。海外ではEDMとかが流行っていて、エイトビートの速い曲はあんまりない。みんな日本のアニソンが好きで、アニソンのフェスに来てくれるんですけど、そこに今ビルボードのチャートに入っているような洋楽のテンポ感があったほうが、初めて聴いた時にノれるんじゃないか?というのが、もともとあって。それもちょっと意識しましたね。

ーーなるほど。

雅友:これからも、海外でのライブの予定がありますし、そこで初めてSCREEN modeを聴く人に対して、いろんなフックがあったほうがいいから。

勇-YOU-:掛け声とかもあるから。最後にみんなで一緒に歌う感じがある曲ですね。

ーーそしてもう1曲が、「雨のち晴れ」。これは一転して、とてもシンプルな、シャッフル・ビートのポップな曲。

雅友:これは、ほかの2曲があまりにも圧が強いので、少しゆるめるというか。メイン料理の前に出てくる、さっぱりしたやつみたいな感じなんですよね。ギターはアコギ1本しか入っていないんですけど、ほかの2曲との差を明確にしようと思って、あえてスカスカにしました。ちょっと不思議な曲で、メジャーコードとマイナーコードの間を細かく行ったり来たりしていて、明るい曲なのか暗い曲なのかわからない。

ーー確かに。微妙な陰影がある。

雅友:僕はあんまりビートルズは音楽ルーツとして通ってないんですけど、そういう意味ではビートルズっぽかったり、ジャジィな感じがあったり、まさに「雨のち晴れ」な曲だと思います。

ーーピアノがまた、いい味出していて。

雅友:ピアノがいい味出してるから、アコギ一本でいいなと思ったんですよね。SCREEN modeの曲って、めっちゃギターが入ってるんですよ、シンセがあまり入ってない代わりに、ギター10本とか重ねてる。だからこの曲に関しては、極端に減らしてみました。

勇-YOU-:この曲は、歌詞作りから携わらせてもらいました。曲を聴いた時に、ありふれた日常を描く、ゆるやかな曲にしたいなという思いがありましたね。リリースの時期が7月で、僕自身が最近都内で一人暮らしを始めたということもあるんですけど、春に上京してきた人が、まだ都会の空気感に慣れずにいるけど、必死こいて頑張ってますみたいなことを書きたくて。今年新生活を始めた人の心にも刺さるんじゃないかない?という願いを込めて、こういう歌詞にしました。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる