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武道館決定のJuice=Juice 1年ぶりの中野サンプラザ凱旋公演に“成長”と“本気”を見た

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 ライブの感想に正解はない。例えば「おもしろい」「かわいい」「カッコいい」という単純な言葉だけでもきっと、ファン同士の感情は共有できるはずである。実際にそういったシンプルな感想を持つことは少なくないが、「説得力を感じられる」という言葉は日常で使う機会もなかなかない。

 しかし、2016年5月3日の中野サンプラザは「説得力」という言葉を使って説明するほかになかった。その日、ハロー!プロジェクト(以下、ハロプロ)の5人組アイドルユニット・Juice=Juiceが、単独では丸1年ぶりとなる凱旋公演を開催した。同公演は、単独での武道館公演を目標にして、全220回公演という挑戦を掲げ2015年6月21日にスタートしたツアー『LIVE MISSION 220』の通過点として行なわれたものである。

 アイドルにしろアーティストにしろ、いまや主戦場をライブに移すものが多いことは、それぞれのファンが感じていることだろう。リテイクの許されない時間の限られた現場で、客席を納得させるだけのパフォーマンスと、周到に準備された演出を作り上げるのは容易なことではない。

 しかし、先の中野サンプラザにおける公演では、その日の限られた時間に、Juice=Juiceのもつエンターテイメント性が凝縮されていた。OPから1曲目の中盤にかけては、ステージ正面の透過されたスクリーン越しにメンバーが1人ずつ登場。プロジェクションマッピングを駆使した演出と、ロック色を前面に押し出すJuice=Juiceの楽曲やパフォーマンスが上手くマッチしていた。その後も光と音、映像を交えた演出は続き、ホール内はさながらファンタジー性を帯びたクラブのような世界観に包まれていた。

 ただ、演出はあくまでも本人たちのパフォーマンスに彩りを添える存在に過ぎない。大がかりであるほど客席からの視線も厳しくなるものだが、“説得力”の絶対的な裏付けは、Juice=Juiceの歌やダンスそのものにある。

 全体のパートからみると、ユニット内のリードボーカルとなるのは金澤朋子、高木紗友希、宮本佳林の3人である。なかでもやはり、まず特筆すべきなのは宮本の存在だ。ユニット内ではステージでのキャリアがもっとも長く、ハロプロの育成組織である「ハロプロ研修生」に2008年11月に加入。2013年2月のユニット結成発表まで、約4年以上の下積み期間を擁した。

 加入当初からハロプロの総合プロデューサーを務めていたつんく♂をはじめとする運営陣、ファンからの期待が寄せられていたのは、研修生としては異例のソロ曲「カリーナノッテ」(コピンク名義)を託されたことからも明らかである。じつは、研修生の在籍中に幾度かモーニング娘。のオーディションへ落選するという挫折を味わっているが、のちにTwitter上で、ファンから落選理由を聞かれたつんく♂が「Juice=Juiceが組めなくなる」からと返答したエピソードもある。

 ファンの一部からは「アイドルサイボーグ」と称される宮本だが、その名はステージを中心に魅せる歌やダンスのパフォーマンスはもちろん、表情や仕草という一挙手一投足のすべてへの敬意を表したものである。さらに彼女は、ボーカリストとしても存在感がある。。現在、ハロプロ内のユニットであるアンジュルムやカントリー・ガールズに在籍する一部メンバー、こぶしファクトリーの面々も参加する研修生時代のアルバム『Let’s say “Hello!”』内の「彼女になりたいっ!!!」や、Juice=Juiceの楽曲でも、彼女の歌声は瞬時に聴き分けられるほど個性的で、アイドル然とした歌い方のみではなく、ユニットの1stアルバム『FIRST SQUEEZE』内収録「五月雨美女がさ乱れる」などにみられる、がなるような歌い方も器用に使いこなす逸材である。

 そして、ロック色の強いJuice=Juiceの楽曲において、宮本とともに強い存在感を放つのが高木紗友希である。ハロプロへ加入のきっかけは、宮本の約1年後となる2009年11月。幼少期からブルースを聴いていたという逸話もあるが、ユニット内のみならず、ハロプロにおいても安定した歌唱力が評価されており、つんく♂もその実力を自身のブログ内で「歌もロック系でダンスも力強く、ザ・ハロプロ研修生」(2013年2月25日)と語っている。

 ハロプロ加入当初から認められた実力は、現在も進行中のツアー『LIVE MISSION 220』でライブハウス公演を重ねる中でさらに鍛え上げられた印象がある。別ユニットのタイトルを借りるのは少々はばかられるものの、その歌声はまさに“猪突猛進”と形容するにふさわしい。力強く、野太く、どれほど会場の収容規模が広がろうとも、身体の芯から揺さぶられる。今年11月7日に決定したユニット初の単独での武道館公演でも、パフォーマンスをけん引する存在になるのは想像に易く、より大きな舞台をめざすにも間違いなくユニットに“説得力”をもたらす核である。

      

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