ハロプロ春ソングは全部で何曲? 四季のハロプロ楽曲(春編)

 数多いハロー!プロジェクトの楽曲には様々なタイプのものがあるが、その中で季節感のある曲、それもちょうど今の季節「春」を感じさせるものはいったい何曲あるのか? それを数えてみたい。

 楽曲を構成する諸要素のうち、季節感を規定するものとはなにか。サウンド面から見て春っぽい「曲調・音色・メロディー」といったものも存在はするだろうが、今回はそれはひとまず置いて、「曲名・歌詞」という言葉の部分のみで考えていくことにする。具体的には、春を感じさせるワードが曲名や歌詞に含まれている楽曲を抽出していくことになる。

 また、「春」は一年12ヵ月のうちのどこを指すのかも決めておこう。四季を分ける定義は、旧暦では1〜3月、暦(二十四節気)では立春の2月4日から立夏の前日の5月7日、気象庁による気象学からの定義では3〜5月、学校や企業が定める年度では4〜6月と、それぞれ異なる。われわれが生活しているうえでの実感としては3〜5月か4〜6月のどちらか、あるいはその中間ぐらいというのが実際のところだろうが、本稿では3〜5月を春と考えていくことにする。

 抽出の対象となるハロプロ楽曲は、1997年11月3日発売のモーニング娘。「愛の種」から、本稿執筆時点での最新リリースとなる℃-ute「何故 人は争うんだろう? / Summer Wind / 人生はSTEP!」(2016年4月20日発売)までの中で考えていく。ちなみにこの範囲での総楽曲数を今回数えたら、バージョン違い等も含めると2381曲となった。ただし、今回は執筆テーマの関係上、カバー曲などは除外して考える。それでは以下、抽出した春ソングを見ていこう。

(※初アップ時より1曲追記しました)

【凡例】
・カッコの中の4桁数字はリリース年。
・特に表記がない場合はシングル曲。c/w曲、アルバム曲の場合はその都度表記。
・特に表記がない場合、作詞はつんく♂。つんく♂以外の作詞者の場合はその都度表記。

<春(曲名)>
・春の歌/モーニング娘。(2004|アルバム曲)
・春 ビューティフル エブリデイ/モーニング娘。[亀井絵里・光井愛佳](2007|アルバム曲)
・甘酸っぱい春にサクラサク/Berryz工房×℃-ute(2011)
・旅立ちの春が来た/スマイレージ(2013)
・春だよ/平家みちよ(1999|c/w曲|作詞:牧穂エミ)
・春の嵐/真野恵里菜(2010|作詞:三浦徳子)
・キャベツ白書 〜春編〜/ピーベリー(2013|作詞:角田崇徳)
・春は来る/GREEN FIELDS(2013|c/w曲|作詞:前田たかひろ)

 まずはストレートに、曲名に「春」が含まれる楽曲を探したら8曲あった。実際の歌詞も、どれも春をテーマとしたものになっている。

 ただ、少々ややこしいのはピーベリー「キャベツ白書 〜春編〜」。2012年のオリジナル・バージョン「キャベツ白書」、今年2016年につばきファクトリーがカバーした「キャベツ白書 〜春編〜」と、全部で3つのバージョンがある。その歌詞を確認してみると、1番では〈夏が来るたび田舎へ おばあちゃんのところへ〉と、夏休みに帰省する場面を描いたものであり、そこから考えると春ソングではなく夏ソングということになる。歌詞は3バージョンとも共通で、唱歌「故郷」が曲内に挿入されたものが「〜春編〜」となる。「〜春編〜」という副題が付いたのは、リリース日が2013年2月27日と、春を見据えてのものだったからと推測されるが、歌詞の2番以降では〈幾つの季節が過ぎただろう おじいちゃんが旅立った日から〉と、特に夏休みに限定しない内容になっていくので、今回のリストから除外するほどではないだろうと解釈する。

甘酸っぱい春にサクラサク/Berryz工房×℃-ute
旅立ちの春が来た/スマイレージ
春の嵐/真野恵里菜
キャベツ白書 〜春編〜/ピーベリー

<桜(曲名)>
・さくら満開/モーニング娘。さくら組(2004)
・桜チラリ/℃-ute(2007)
・サクラハラクサ/Berryz工房(2007|アルバム曲)
・桜→入学式/Berryz工房(2007|アルバム曲)
・桜の花が咲く頃/飯田圭織(2005|アルバム曲|作詞:佐藤純子)
・サクラ色の約束/メロン記念日(2007|c/w曲|作詞:海野真司)
・桜ナイトフィーバー/こぶしファクトリー(2016|作詞:KAN)

 前項で挙げた「甘酸っぱい春にサクラサク」には、「春」のみならず「サクラ」というフレーズまで含まれていた。日本文化に馴染み深い花であり、近年のJポップシーンでは「桜ソング」というジャンルが定着するなど、春を連想させる代表的なフレーズである「桜」。それをタイトルに含むハロプロ楽曲は7曲あった。

 「甘酸っぱい春に〜」、そして「桜→入学式」は卒業式や入学式など、春の季節の恒例イベントをテーマにしたもの。「さくら満開」は、〈もう言葉にならないくらい 恋の花が満開〉と、恋が始まる瞬間を花が咲く瞬間に例えた歌詞。「桜ナイトフィーバー」は、KANのオリジナル曲が昨年の「ひなフェス2015」でハロプロ全員にライブカバーされ、今春にこぶしファクトリーのカバーでリリースという経緯の一曲。桜を擬人化した歌詞がユニークかつ可愛らしい。

桜チラリ/℃-ute ※2012年映像バージョン
桜ナイトフィーバー/こぶしファクトリー

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