ド派手パフォーマンスで存在感を放つベーシスト SiMのSIN、オーラルあきらのベーススタイルから探る

 派手なパフォーマンスを信条とするベーシストとしては、THE ORAL CIGARETTESのベーシスト・あきらかにあきらも挙げられるだろう。自身のTwitterのプロフィールに「『ストラップは誰よりも短く、脚は誰よりも高く』をテーマにベースを振り回してます」と表記している通り、彼の演奏パフォーマンスは独特のダンスが印象的だ。注目したいのは、ストラップは右肩のみに掛けるという独自スタイル。自由度の高いそのスタイルを活用し、定番曲「大魔王参上」を披露する際は、リズムよく足を頭の近くまで蹴り上げ、観客といっしょに踊っている。

THE ORAL CIGARETTES / 大魔王参上 【2013.4.21 Livemasters CHOICE × HighApps 】

 このベース・スタイルはデビュー前からまったく変わっていないという。彼のダンスのおかげで、初めてライブを観たファンもリズムをとりやすく、会場に一体感をもたらすのに一役買っているのが印象的だ。さらに彼は、コーラスとして歌声まで披露するなど、芸達者ぶりを見せている。THE ORAL CIGARETTESは、「いつもその場の雰囲気を引っくり返そう、番狂わせを起こそう」をテーマに活動しているが、そのアティテュードをもっとも体現しているのが、ほかでもないベーシストのあきらかにあきらではないか。

 低音のため、演奏面ではそのラインが目立ちにくい楽器ではあるが、しかしフロアを揺らし、リスナーに大きな一体感をもたらすことができるベース。今回、紹介したふたりのように、パフォーマンスにも力を注いでいるベーシストは、そんなベースの魅力を全身で表現しているといえるだろう。夏フェスシーズン真っ盛りで、生のライブ演奏に触れる機会が多いいま、改めてベーシストたちのパフォーマンスに注目してみると、いつもとは違った楽しみ方ができるかもしれない。

(文=大和田茉椰)

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