西廣智一がリトグリの躍進に迫る
『Mステ』初出演のLittle Glee Monster 卓越したボーカルパフォーマンスでブレイクなるか?
表題曲のひとつである「人生は一度きり」では、新たにCarlos K.を作家&プロデューサーに起用。Carlos K.といえばAKB48「Green Flash」、NMB48「Don't look back!」、板野友美「Dear J」といった48グループ系のみならず遊助、Crystal Kay、Flower、KARA、SUPER☆GIRLSを手掛けるなど、J-POPシーンで活躍する若手プロデューサーだ。そんな旬のプロデューサーと旬のアーティストがコラボして生み出された「人生は一度きり」は、リトグリの圧倒的なボーカルパフォーマンスと10代ならではの躍動感が余すところなく凝縮された爽やかなポップチューン。過去の楽曲からも表出していたゴスペルテイストは今作にも散りばめられているが、「人生は一度きり」ではよりJ-POPとしての純度が高められているのが特徴と言えるかもしれない。とはいえ、壮大なサビやエンディングでは聴いていると思わず一緒に歌いたくなるようなゴスペル調味付けはもちろん今作でも健在なので、このへんが音楽番組などに出演した際に一般視聴者にどうアピールするのかも気になるところだ。
リトグリらしいディープな「ルーツミュージック探究心」とモダンなJ-POPサウンドがバランスよく融合した「人生は一度きり」と対をなすのが、早くも子供たちから大歓迎されているポケモンのテーマソング「ガオガオ・オールスター」だ。ラテンテイストを取り入れたサウンドと子供にも覚えやすい歌詞と振付によって、ショッピングモールなどでのインストアイベントではポケモン視聴者層から大反響を呼んでいるという。実際彼女たちはテレビ東京『おはスタ』にも定期的に出演しており、同番組の視聴者層において、少なからず同年代、もしくはそれよりも若干下の世代にアピールしている。その結果、ライブに同年代の男女がバランスよく足を運ぶという現実につながっているのではないだろうか。
デビュー前から披露していたファンにはおなじみの「Brand New Me」はモータウンとエレクトロが融合した聴きごたえのある1曲だし、この春に行われた「最強歌少女Exhibition Match」で見事優勝した麻珠のソロ曲「君を今でも」もグループでの歌唱曲とは異なる味わいがある(参照:Little Glee Monsterが圧巻のスタジオ“生”ライブ ソロ歌唱から見える6人の個性とは? http://realsound.jp/2015/03/post-2739.html)。もはやミニアルバムと呼んでも違和感のないボリューム感の3rdシングルは、数字的にはこれまで以上に幅広い層に受け入れられることになったわけだが、続く9月リリース予定の4thシングルはその人気を決定付けることになるだろう。先にも挙げたように、このシングルには7月からスタートしたTBS系ドラマ『表参道高校合唱部!』の主題歌「好きだ。」が収録される。合唱をテーマにしたドラマとリトグリの相性はこれ以上ないほどにピッタリなものだし、春から続く怒涛の展開の“結果”は2015年が終わる頃には間違いなく花開いているはずだ。まずは『Mステ』にて彼女たちの勇姿を見守りたいと思う。
■西廣智一(にしびろともかず) Twitter
音楽系ライター。2006年よりライターとしての活動を開始し、「ナタリー」の立ち上げに参加する。2014年12月からフリーランスとなり、WEBや雑誌でインタビューやコラム、ディスクレビューを執筆。乃木坂46からオジー・オズボーンまで、インタビューしたアーティストは多岐にわたる。