小野島大の「この洋楽を聴け!」第12回:FUJI ROCK FESTIVAL'15
今年のフジロック、要注目の洋楽アクトは? 小野島大が45組をフル解説
7月25日
<Green Stage>
MUSE
あっと驚く大傑作アルバム『ドローンズ』をリリースしたばかりのミューズ。ライブではあの手この手の仕掛けたっぷりのパフォーマンスで楽しませてくれる人たちですが、今回は引き締まったリフ中心のゴリゴリのロックを聞かせてくれた最新作のサウンドにあわせ、案外とシンプルなステージが見られそうです。
deadmau5
言わずと知れた世界最高峰のエレクトロDJです。EDM時代を迎えてその存在感は増すばかり。今年の『Glastonbury Festival』でも、ど派手にショウアップされたステージを展開。その音と光の饗宴は圧巻でした。ネズミのかぶり物がトレードマークです。
NATE RUESS
ファン.のヴォーカリスト、ネイト・ルイスが初ソロ・アルバム『グランド・ロマンティック』にあわせて登場。フレディ・マーキュリーにも例えられるその声の魅力を存分に生かしたステージを見せてくれそうです。
<White Stage>
BELLE AND SEBASTIAN
グラスゴーの至宝、インディ・ポップの良心であり最良のお手本でもあるベルセバが2010年以来5年ぶりにフジに帰還。5年前と同じようにホワイト・ステージのトリをつとめます。変わらぬ彼らにまた会いにいきましょう。
SUPER FURRY ANIMALS
ウエールズの代表選手も今年でデビュー20年。2009年以来活動を停止していましたが今年になってライブを再開、先日の『Glastonbury Festival』でも彼ららしい甘美なエクスペリメンタル・ポップを披露し、元気なところを見せてくれました。新作の予定は聞こえてきませんが、ぜひ新曲を期待したいところです。
twenty one pilots
昨年のサマーソニックに続くフジ出演が決まったオハイオのデュオ。ヒップホップ、エレクトロ、レゲエなどを自在に往還する高感度オルタナ・ポップです。こういうセンスのいい連中がさりげなく出てくるアメリカという国は、やはり底が知れません。最新作は『ブルーリーフェイス』。
Räfven
2009年のフジロックで、まったく無名の存在ながら異例の全日異なるステージで出演を果たし大熱狂を巻き起こした、スウェーデンのレーヴェン。彼らこそがフジロックのフジロックたる精神をもっとも鮮やかに体現するバンドだと断言しておきましょう。今年も3日間異なるステージで登場。初日午前1時半のパレス・オブ・ワンダーも盛り上がりそうですが、ここは2日目ホワイトのオープニング・アクトでの晴れ姿を確認したいところ。新作『Bring Back The Dinos』もリリースされます。
<Red Marquee>
HAPPY MONDAYS
今さら説明の要もないマッドチェスターの主役。新曲のリリースもなく、昔の曲で盛り上がるショウになりそうですが、この人たちのファンには気にならないでしょう。この8年前のフジロックと変わらぬルーズでファンキーなライブを見せてくれるはず。ベズさんも健在みたいです。
Aqualung
ポスト・レディオヘッド世代を代表するシンガーソングライターとして注目を浴びたアクアラングことマット・へールズ。今年5年ぶりのアルバム『テン・フューチャーズ』をリリースしてカムバックしました。今をときめくディスクロージャーのラブコールに応えるカタチの復帰で、その共作曲「Eggshells」もいいんですが、この曲のほうが彼の奔放な才能がうかがえます。どんなライブになるか期待です。
HOLYCHILD
ワシントンDC出身、LA在住の男女デュオ。2013年にリリースしたこの曲がヒットして注目を浴びました。最近ではApple WatchのCMで大量OAされた「Running Behind」がおなじみでしょうか。この人たちの魅力はなんといってもヴォーカルのリズ・ニスティコ嬢。かなりの美人さんで露出度高くサービス精神もたっぷり。ライブは盛り上がりそうですね。
<Traibal Circus>
Galantis
スウェーデンのインディ・ポップ・バンドMiike Snow のメンバーが結成したユニットで、昨年リリースしたこの曲がEDM系のフェスなどでヘビーローテーションされ大反響を巻き起こしました。切ない系メロとアゲアゲのビート。もうフロアの大盛り上がりが容易に想像できますね。今年になってファースト・アルバム『Pharmacy』をリリースしています。
RL Grime
いわゆるTRAP系の代表格で、むこうのEDM系フェスでは一番ホットな若手筆頭という位置づけです。今年になってアルバム『Void』をリリース。深夜のレッド・マーキー。盛り上がりそうです。
GORDON CITY
北ロンドン出身のダンス系デュオで、ディスクロージャーと並び称されるグルーヴィなハウス・ミュージックをやります。ディスクロージャーよりもヴォーカルを強調したR&B色の強い音作りですね。今回はDJセットということで、EDM系が並ぶ今回のラインナップでは、ふだんの彼らの音楽性よりはもう少しアゲアゲでくるかもしれません。
<Field of Heaven>
GALACTIC featuring MACY GRAY
ジャム・バンドの代表格ギャラクティックと歌姫メイシー・グレイの共演…というだけでそれ以上の説明の要はないでしょう。昨年3年ぶりのアルバム『The Way』で健在ぶりを見せたメイシーが、このギャラクティックのシングルでも見事な歌唱を聴かせています。これぞソウル・ミュージック。期待大。
Philip Sayce
カナダ出身のシンガー・ギタリスト。ブルースや60~70年代アメリカン・ロックに根ざしたオーソドックスなプレイと、分厚く泥臭い演奏、はったりのない正攻法な音楽性が売りですが、このテン・イヤーズ・アフターの大名曲(1971年)のカヴァーが圧巻です。歌もギターも素晴らしいですね。この曲が入った「INFLUENCE」が最新作。