受け継がれる「DANGER CRUEのイズム」とは?
MUCC・ミヤ、新イベント『COMMUNE』のコンセプトを語る「バチバチ火花を散らすイベントがあってもいい」
「『なんかすげぇもん観たな』って思ってくれればいいかな」
――ちなみに「OVER THE EDGE」(註:MUCCが中心となって大晦日に開催されるヴィジュアル系バンドのイベント)は逹瑯くんが中心人物的な存在となって開催されてるイベントですが。
ミヤ:あっちは年末のお祭りですよね。もちろん俺も祭りは好きだし、細かいこと考えないで仲間とワーって盛り上がるのも楽しいですよ。でもこれは違うんですよ。俺のイメージで言うと……『L.S.B.』(註:LUNA SEA、SOFT BALLET、BUCK-TICKの3組で各地を廻ったイベント。1994年開催)ってあったじゃないですか、イベント。あれに近いかな。
――なるほど。あれは決して仲良しこよしのイベントじゃなかったですね。
ミヤ:祭り感はあったと思うけど、それ以上にヒリついた感じのあるイベントだったんじゃないかと思うんですよね。今回のイベントは若いバンドも先輩バンドもいろいろ混ざり合ってるんで、イベントに来るお客さんが全部観終わった時に『なんかすげぇもん観たな』って思ってくれればいいかなと。
――イベントって今みたいな主催者側の意志とか思想がちゃんとないと、お客さんも自分の好きなバンドだけ観て他は観てくれなかったりすると思うんですよね。
ミヤ:そうですね。例えば自分の目当てのバンド以外の時は床に座って携帯いじってる子とかいっぱいいるじゃないですか。もちろん自分が好きなバンド以外のことは知らねぇし好きじゃねぇし関係ねぇって思う気持ちもわかる。でも自分の好きなバンドと一緒に出てるバンドってことは、そこに何かしらのリスペクトがあってもいいんじゃないかと俺は思うんです。実際観て、全然良くないとかかっこ悪いとか思ったらそれでいいんですけど、それすら受け入れる姿勢がない。で、それはお客さんが悪いっていうよりバンドが悪いんですけどね。
――そのイベントに出るっていう意味だったり意図だったり背景にあるものっていうのが伝わってない。
ミヤ:伝わってないし、伝えてないんですよ。で、それはバンドが悪いと思うし。音楽ってそういうものを含めて楽しむものなんじゃねぇの?っていう。自分の好きなバンドの背景にあるものとか横の繋がりとか、そういうところに音楽の楽しみ方ってたくさんあって。それを広げていくことの楽しさって絶対にあって。でもその楽しさをバンド側も伝えていかないと勿体ない。
――だからこうして「COMMUNE」はこういうイベントなんだ、っていうのをわざわざ自分で説明してるわけですね。ミヤくんがこのイベントを主催するイズムみたいなものを。
ミヤ:イズムっていうか、ケンカしてるのをちゃんと観て欲しいんですよ。今思い出したけど、うちらって昔『LOUD PARK』(註:日本最大のメタル・フェス。MUCCは2006年に出演)に出たじゃないですか。あの時お客さんって座ってたりとか棒立ちだったけど、観てくれましたから。『なんだこいつら? 変なバンドがこんなとこで何やってんの?』みたいに思われてたかもしれないけど、それでも観てくれたんで。