ピロスエのハロプロ分析
ハロプロ演劇のディープな魅力とは 「脚本家・演出家」で総チェック
アイドルグループの活動の手段として、まず最初に挙げられるのがCDリリースやコンサートなどの音楽活動だろう。そのほか、テレビ・ラジオ・ウェブ番組の出演や個人ブログの更新、握手会など様々なものがあるが、今回の記事で注目したいのは「演劇」である。芝居、あるいはミュージカルだったら歌唱も同時に楽しめる舞台演劇という場は、グループのポテンシャルを生で感じ取れる貴重な機会である。
ハロプロにおいても、コンサート活動と平行して演劇やミュージカル等の活動は精力的に行われてきた。最初期のケースは、2001年5月に行われたモーニング娘。初主演ミュージカル『LOVEセンチュリー -夢はみなけりゃ始まらない-』だろう。以降、様々なグループによって様々なステージが披露されてきたが、近年のハロプロ演劇を、脚本家および演出家によって分類して振り返ってみようというのが本記事の趣旨である。
アップフロントグループの関連企業で、コンサートやイベントの営業事業会社であるオデッセーが運営しているサイトが「劇団プロジェクト」(http://gekijyo.net/)。劇団ニュースや舞台情報発信を行っているこのサイト内には、2006年から2015年現在までの過去公演情報が残されている。全部で140本の演劇情報のうち、89本がハロプロメンバー主演または出演ステージである。今回はこの89本を対象とする。
(「劇団プロジェクト」サイト内に情報が掲載されていない、2006年のモーニング娘。と宝塚のコラボ演劇『リボンの騎士 ザ・ミュージカル』や、2010年に℃-ute矢島舞美が秦組の劇に主演として参加した『らん』などは、今回は取り上げない)
89本を脚本家および演出家によって分類してみると、大きく3つのタイプに分けることができた。まず1つめは、その脚本家/演出家が1~2本程度しか担当していないもの。2つめは、ハロプロメンバー主演舞台を含め1~2本以上を担当しているもの。3つめは、3本以上の多数担当しているもの。後に行くにしたがって、ファンにとって馴染みのある脚本家/演出家の名前が出てくるということになる。
それでは以下に、その分類した結果を列挙していく。各公演データは「初演日」「演劇タイトル」「主演」「出演」「脚本および演出等スタッフ」「公演名の冠」の順に記載。「主演」が記されていない演劇は、ハロプロメンバー以外の者が主演しているという意味。メンバーの所属は公演当時のもの。タイプ2以降では、その脚本家/演出家のプロフィールも簡単に紹介していく。
《タイプ1:1~2本程度担当》
■2006.06.07:ひめゆりの花を揺らす風
出演:諸塚香奈実・青木英里奈(ハロプロエッグ)
脚本・演出:桜木さやか
※聖ルドビコ学園 2006年度1学期生徒会公演
■2006.07.31:百円野菜
出演:能登有沙・大瀬楓(ハロプロエッグ)
脚本:藤井貴里彦 演出:はせひろいち(劇団ジャブジャブサーキット)
※シアターグリーンリニューアル1周年記念 招待作品(二本立て)ゆめとうつつとまぼろしと「百円野菜」「おいていかれようぜ」
■2006.10.05:剣狼 -KENROH-
出演:稲葉貴子、武藤水華・橋田三令・古川小夏・後藤夕貴(ハロプロエッグ)
脚本・演出:トクナガヒデカツ(X-QUEST)
※X-QUEST
■2006.10.13:王子メフィスト -午前0時の招待状-
出演:青木英里奈(ハロプロエッグ)
脚本・演出:桜木さやか
※聖ルドビコ学園 2006年度2学期生徒会公演
■2007.03.15:BLUE
出演:アヤカ
脚本・演出:佐々木智広
※30-DELUX
■2007.03.28:眠れぬ夜のホンキートンクブルース EPISODE1 ~上京編~
出演:稲葉貴子
脚本:池田真一 演出:水木英昭
※水木英昭プロデュース
■2007.05.11:私を土星に連れてって! ~RPG Fly Me To The Saturn~
出演:メロン記念日、稲葉貴子
脚本・演出:トクナガヒデカツ(X-QUEST)
■2007.09.21:えくぼ ~people song~
出演:古川小夏・前田憂佳(ハロプロエッグ)
脚本・演出:宇治川まさなり
※スタンダードソングエンタテインメントPresents
■2007.10.03:平成レボリューション ~バックトゥザ・白虎隊~
主演:吉澤ひとみ
出演:柴田あゆみ(メロン記念日)、里田まい(カントリー娘。)、稲葉貴子、是永美記・福田花音(ハロプロエッグ)
脚本:金津泰輔 演出:宇治川まさなり
※全労済ホール スペース・ゼロ 提携公演
■2009.05.08:東京アリス
主演:石川梨華、吉澤ひとみ
出演:小川麻琴
脚本・演出:大木綾子(フジテレビドラマ制作センター)