ミスチルがダントツ1位のALチャートで考えた、音楽プロモーションの今後

 そして、注目したいのは今週1位のMr.Childrenだ。初登場で355,268枚。清々しいほどの売れっぷり。発売以来ずっと10位圏内にとどまっていたサザンの『葡萄』が今週初めて姿を消したことも、「王者」のバトンが彼らに渡されるストーリーが用意されていたかのように感じてしまう。

 だが重要なのは、今のミスチルのプロモーション活動だ。今回は雑誌が4誌(うち二つはセレブ主婦向けの『VERY』と『STORY』!)、ラジオ出演が2回、ウェブメディアにはまったく登場しない。それでこの結果は見事なものである。もちろんただの横綱相撲ではなく、彼らは本作のプロモーションとして、アルバムタイトルと同名のツアーを先に実施している。まずはファンクラブ会員に向けて新曲を発表し、そのあとは全国のファンに新曲を聴かせて回る。「いや、ミスチルだから人も集まるし売れるっしょ」と言うのは簡単だが、あくまでコアファンに向けた(閉鎖的だが確かな熱のある)発信というのは、アニソン声優のそれとあまり大差がないわけだ。

 さぁ、J-POPの既存のプロモーション、これからどうするの? そんな問いかけを感じ取った今週のチャートでした。

■石井恵梨子
1977年石川県生まれ。投稿をきっかけに、97年より音楽雑誌に執筆活動を開始。パンク/ラウドロックを好む傍ら、ヒットチャート観察も趣味。現在「音楽と人」「SPA!」などに寄稿。

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