「DARK EXHIBITION」最終公演レポ
WHITE ASH、ワンマンで見せた圧巻のパフォーマンス 音楽性のルーツが再確認できる一夜に
WHITE ASHのワンマンライブツアー「DARK EXHIBITION」の最終公演が、4月17日に新木場スタジオコーストにて開催された。同ツアーは3rdフルアルバム『THE DARK BLACK GROOVE』を提げたもので、同アルバムの収録曲を中心に、アンコールを含めて全26曲が披露された。
満員の会場内に骨太なビートが鳴り響き、ステージの幕が上がると、アルバム1曲目に収録されている「Orpheus」を演奏しながらメンバーが登場。迫力のあるサウンドで会場を大きく揺らし、そのまま「Just Give Me The Rock 'N' Roll Music」で一気に盛り上げていく。ブルースやブリティッシュ・ロックを消化しながら、ソリッドなリフや緩急のあるリズムを加えることで、クールでありながらエンターテイメント性の高い音楽性を確立したWHITE ASHならではの演奏に、オーディエンスが熱を帯びていく。3曲目、季節外れのクリスマスソングとなった「Xmas Party Rock Anthem」では、さらに会場が祝祭的な雰囲気に。装飾過多にならない絶妙なステージ演出も、そのパフォーマンスをより際立たせていた。
MCでは山さん(G)が、初めてロックのライブを観たのが新木場スタジオコーストで行われたアークティック・モンキーズのもので、のび太(Vo, G)や彩(B)とともに同会場を訪れたことを振り返る。その際、実は“歯がかける”という惨事に見舞われていたが、のび太たちの前では何事もなかったかのように振る舞っていたことを告白し、メンバーに失笑される一幕もあった。しかし、彼らにとって同会場が大切なルーツであることを感じさせるエピソードで、この日の公演をより感慨深いものとして受け止めたファンも少なくなかっただろう。アークティック・モンキーズのコピーバンドとして結成されたWHITE ASHは、この会場から始まったのだ。
ライブ中盤では、「Walking In A Cloudy」で語りかけるような優しいメロディを聴かせたかと思えば、「Quandata」では山さんと剛(Dr)が2人でトライバル感溢れるビートを生み出すなど、その表現の幅広さを見せつけていく。個人的にとくに印象的だったのは、叙情的なメロディでのび太の伸びやかなボーカルを存分に聴かせた「Night Song」。会場を包み込むようなロングトーンは圧巻で、WHITE ASHというバンドのポテンシャルを感じさせた。彼らの演奏力の高さ、表現のクールさは、今後より大きなステージへと上がっていくことで、さらに評価されるのは間違いないだろう。