3rdアルバム『Blue Avenue』インタビュー
花澤香菜×北川勝利が明かす、“極上のポップソング”の作り方「人生と音楽がより密接になってきた」
「思わず「一緒に写真撮ってください」って言っちゃいました(笑)」(北川)
ーー花澤さんとしては『25』で作詞をしていた時に比べると。曲のイメージを掴んだり、それを言葉で表現したりすることの手応えを掴みつつあるのではないでしょうか。
花澤:そうですね。前までは岩里(祐穂)さんに手助けいただいて、途中まで書いて見てもらったりしたんですけれど、自力で最後まで書くようになって。で、どうやら私は普通に歌詞を書くと暗くなってしまうタイプらしくて(笑)。でも、別にそこも隠さなくてもいいのかしらと思うようになりました。
ーーアルバムには哀感のある曲も印象的ですね。たとえば、クラムボンのミトさんが作った「Trace」はどうでしたか?
花澤:この曲は、セカンドシーズンの打ち上げの段階で「作ってきました」って聴かせていただいたんです(笑)。その時に作詞の岩里祐穂さんもいらしていて、2人で聴きながら「大人っぽくて格好いいな、この曲。歌えればいいな」って思ってました。
北川:歌詞の面でも、背伸びしない大人っぽさが曲調にハマったし、歌い方でも凛とした感じになった。そういう完成形に辿り着いたのは、すごく自然でよかったと思います。あと、パッと聴いた感じはわからないんですけれど、これ、コーラスも何十本も重ねてるんですよ。大変な録音だった(笑)。
花澤:コーラスのレコーディング、長かったですよね。
北川:ずっとやってた記憶がありますね。
ーーアルバムの1曲目は「I ♡ New Day !」で、これは非常にフレッシュなニューヨークの朝をイメージさせる楽曲になっています。これはどういうところから作っていったんでしょうか。
北川:これは、ニューヨークというキーワードが出てきて「ジャケットの撮影と映画の撮影も含めてニューヨークに行きますよ」という話になって。「ニューヨークでレコーディングやれたら格好いいよね」って冗談混じりに言っていたのが、ウィル・リーやスティーブ・ジョーダンのような凄腕のミュージシャンの人たちの名前が挙がってきて。「そうなんだ! やった!」って思って、あの人達に演奏してほしい曲ということで作ったのが、1曲目の「I ♡ New Day !」と3曲目の「Nobody Knows」なんです。
ーー海外で作ることを念頭に置いて作ったんですね。
北川:そう。ミュージシャンが決まってから書きました。
ーー花澤さんはニューヨークに行く前には、どんなイメージがありました?
花澤:ベーグルです(笑)。
北川:行ってからもでしょ(笑)。
花澤:うん(笑)。私、パンが大好きなので、ニューヨークって言ったら美味しいベーグルの街だと思って。あとは、すごく危険な街っていうイメージがあったんですけど、行ってみたら全然そんなことなかったんで、だいぶイメージ変わりました、ニューヨークの。現地のジャズバーとかにも北川さんと一緒に行ったりしたんです。ああいう風に、住んでる方たちの身近に音楽があるのが素敵だなって思いました。
ーー北川さんは、ニューヨークでのレコーディングはいかがでしたか?
北川:実は僕もニューヨークは初めてで。ミュージシャンの名前が挙がる度に「俺の知ってるあの人達か」みたいな感じだったんで。それこそストーンズとかもやってる人だし。思わず「一緒に写真撮ってください」って言っちゃいました(笑)。ずっと盛り上がってやってましたね。