『ボールズ・オン・ザ・ラン VOL.2』レポート
ボールズがカジヒデキとのライブで見せた可能性 “うた”を深く追求した新曲群も披露
観客の声援に応えて再び登場したボールズは、アンコール1曲目として昨年から披露している新曲を演奏。彼らが影響を受けているという大滝詠一などの系譜上に位置付けられそうなフォーク・ポップを観客にじっくりと聴かせていた。アンコールの2曲目に演奏されたインディーズ時代の彼らを象徴する楽曲「ばんねん」は、ボールズが“うた”を機軸とした若手バンドの中でも、突出したソングライティング力を持っていることを改めて実感させられる、大衆性と攻めの姿勢が共存したオルタナティヴな一曲だった。出てきた当初は「大阪のスピッツ」と呼ばれていた彼らだが、この日の山本にはどこかエレファントカシマシの宮本浩次に似たセクシーさを感じたし、これから先は両バンドのようにグッドメロディな“うた”で攻めていく姿がハッキリと想像できた。
そしてダブルアンコールでは、山本が後ろ向きとも取れる歌詞を真っ赤な顔で力強く歌った「unicorn in the groove」を熱唱。ボールズはガンガン攻めるだけではない、しっかりと一歩ずつ成長していることを今一度観客に知らしめた楽曲でこの日のライブを締めくくった。
なお、MC中で山本が発表したが、同企画の第三弾が3月13日に同じ下北沢SHELTERで開催され、対バン相手には音速ラインを迎える予定だ。
(文=中村拓海/写真=大畑陽子)
■『ボールズ・オン・ザ・ラン VOL.2』セットリスト
・カジヒデキ
1.ビーチボーイのジャームッシュ
2.トリコロール・フィーバー
3.灼熱少女
4.甘い恋人
5.Sweet Swedish Winter
6.ささやかだけれど、役にたつこと
7.僕のベイビー・レモネード
8.君とサマーと太陽がいっぱい
9.ラ・ブーム〜だってMY BOOM IS ME〜
10.ヘイ・ヘイ・ベイビー・ポップ
・ボールズ
1.SING A SONG GIRL
2.通り雨
3.魔法
4.新曲
5.Youth
6.新曲
7.新曲
8.新曲
9.Akutagawa trip
10.メルトサマー
En1.新曲
En2.ばんねん
W En1.unicorn in the groove