コンサートの嵐は、テレビで見るより数倍かっこいい! 青井サンマが徹底レポート

 上記のほかで出色だったのは、まずは大野くんが振付を担当したという「TRAP」。トラップ音楽の難しいリズムと文字通り「罠」をテーマにした緊迫感のある歌詞世界を、バックダンサーを務めるジャニーズJr.とともに群舞でドラマティックに演出しました。サビのメロディに合わせてスローモーション的な動きをしながら同時に細かくリズムを捉えるダンスには圧倒されます。映像化が楽しみな1曲ですね。

 そして、ソロ曲なのにこのコンサートの代表曲として語り草になるであろう、相葉くんの「Disco Star」! アルバム発売時には「日曜日に近所の小さいディスコに集まって地元のスターを応援してる感じ」という分かりそうで分からないコンセプトを語っていた相葉くんですが、コンサートではなぜかインド風のお籠のような神輿に乗って登場。サイケ風なメタリックカラーのぴちぴちシャツの腕にはショッキングピンクのフリンジ。ダンスの種類は違えどマサラムービーを思わせる群舞。巨大なビジョンに映し出されるのは股間のアップ。CG映像が観客にうながすコールは「ホヮ!ホヮ!」「ディスコスター!」の連呼。もう何がなんだかわかりません。しかし、このトンチキこそがジャニーズアイドル。相葉くんの元々のかわいらしさや色気と、おバカ演出と、それをやり切るかっこよさが合わさった“エロバカッコカワイイ”ステージで、最高の盛り上がりを見せました。今回の演出やダンスは相葉くんがプロデュースしたとのこと。今年はバラエティ番組やCM出演でもノリにノッていた相葉くんですが、あの珍妙な「ディスコスター走り」で新たなステージへ踏み出した感があります!

 他にも、突如英語で3つの質問をしてから歌い始める櫻井くんソロ、サンタ帽をちょこんとかぶりギターを弾きながら歌う二宮くんソロなど、デジタリアンのコンセプトに貫かれながらもその解釈の幅を見せられるバラエティ豊かな構成で、嵐の芸の幅も充分に感じ取ることができました。もちろん以前から続いているムービングステージやトロッコやリフターで客席をまんべんなくフォローするおもてなし精神あふれる演出は健在で、今回はメンバーがひとりずつ気球に乗り2階席の最後列にまで近づこうとしていました。嵐やさしい! ありがとう!

 欲を言えば、二宮くんが「俺の中で、すごい“DIGITALIAN”だなぁ」と思ってソロ曲をアレンジしピアノ演奏をお願いしたというまらしぃさんが生演奏で二宮くんとセッションしたら最高だよななどと思いますが、欲張りすぎですかね……。最終日(23日)にサプライズゲストなんてことがあったりしませんか……。

 そして、ヲタとしては、これだけの技術と情熱を注ぎ込んだ最高のステージを、見られないまたは見ていない人がいることがなんとも切なく歯がゆいです。この記事を読んでくださってコンサートを見ていない方は、是非とも映像化されたものをご覧になってくださればと思います。コンサートの嵐は、テレビで見る嵐の数倍かっこいいですから!!

■青井サンマ
 ヲタ歴7年のゆるくぬるい嵐ヲタ。独断解説「嵐の聴き方」はTwitterまとめサイト『Togetter』で100万viewを突破。ウェブメディア『cakes』で「嵐の聴きかた」を連載。著書に『嵐ヲタ絶好調超!!!!』(大和書房)。Twitter

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる