姫乃たま×マーライオン対談 音楽は“不器用な10代”をどう変えた?「舞台に立つと積極的になれる」

たま「17才の誕生日に合わせてイベントを主催した」

マー:活動を始めた頃は高校二年生だったけど、学校が中高一貫校だったから、新しい文化が取り入れられない閉鎖的な空間だった。みんな、はみ出さないように普通にすることをすごく大事にしてた。家も厳しかったから、親に内緒で活動してたし、門限もあって出番が早くないとライブに出演できなかったんだよね。

たま:私は同時期に初めて舞台に立ってから、ありがたいことに誘われるがまま色んなイベントに出演してた。その中に、優勝するとライブハウスが一日タダで貸し切れる投票制の勝ち抜き式アイドルライブがあって、そこで優勝して初めて17才の誕生日に合わせてイベントを主催したんだよね。THEラブ人間とマーくんにも出演してもらって。あれ、楽しかったなあ。

マー:僕も自主企画をやるようになって、そこで発売するために初めて「ニヤニヤロックンロール」っていうCDを作ったんだよね。ひらくドアのタカユキカトーさんが録音してくれたんだけど、僕がCDの焼き方を知らなかったから、全部データCDで焼いちゃって、聞けないってたくさん言われた……。

たま:んふふ、買った買った。聞けなかった(笑)

マー:タカユキさんも、まさか焼き方がわからないとは思わなかっただろうなあ。

マー「知らない人に「死ね」って怒鳴られて号泣しちゃった」

たま:マーくんさ、下北沢で路上ライブやってて、よく怒鳴られたりしてたよね。

マー:そう、小田急の旧駅舎の近くに、いるじゃない、変なヒモ売ってるお姉さん。あのお姉さんに「歌唱指導してやる」って言われて、素直に指導されてたんだけど、お姉さんの歌が全然うまくないのね。もちろん僕よりはうまいんだけど、それを指摘したらお姉さんが切れちゃって。その時、制服だったから心配した人が通報してくれて、警察が来たのでお姉さんと目を合わせて「解散!」って。

たま:わはは。知らない人に「死ね」って怒鳴られて泣いてたこともあったよね。

マー:それまでは知り合いがいる状況でしか路上でやったことなかったんだけど、初めてひとりでやってみたら、案外あったかくないのね、街が。しかも「死ね」って怒鳴られて完全に心折れちゃって。あの日は辛かった。その後に姫乃ちゃんが来てくれて、やっと知ってる人に会って安心して号泣しちゃったんだよね。

たま:私もなんだか悔しくなっちゃって。憂さ晴らしにジョンE.I..s君に「マーライオンが、うるさいって怒鳴られて泣いてた」って報告して、そりゃ、うるさいわ!って笑ってた。ごめん(笑)。

マー:でもその後ジョンE.I..sさんもすごい慰めてアドバイスしてくれて、グッときてまた泣いたよ(笑)。

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