岡田康宏がアイドルグループの“人数”を考察(後編)
エビ中、SUPER☆GiRLS、TPD……中規模アイドルグループの可能性を分析
5人組、6人組に関しては前編【アイドルグループは5人組と6人組、どっちが良い? 両編成のメリットを分析】で解説しましたが、女性アイドルグループの成功例は、上はAKB48から下はピンクレディー、WiNKまで人数の幅は広く、48系のグループは基本的なセットとして16人×3チーム、その下には研究生がいて、そういうグループが東京、大阪、名古屋、福岡、ジャカルタ、上海、公式ライバルの乃木坂までいるわけで、この規模感はこれまでのどんなアイドルグループとも比較になりません。逆に少ない方では、2人組での大ブレイクは最近ありませんが、PerfumeやBABYMETALは3人組で、アイドルの枠を軽く飛び越えて世界に出ていくアーティストとして大きな成功を収めています。
いま、むしろ多少手薄となっているのは10人前後の中規模グループでしょう。この規模の代表格は、もちろんモーニング娘。ですし、エイベックスのSUPER☆GiRLSは全盛期のモーニング娘。をイメージして12人で結成されています。日本のグループではありませんが、いまのアイドルグループに与えた影響でいえば、少女時代の存在も忘れられないところです。この規模では、武道館、アリーナクラスの動員力を持つグループは多数出てきていますが、3人組のPerfume、5人組のももクロ、大人数の48系グループと比べると、スタジアム、ドームクラスまでブレイクしたグループはでてきていません。
そうした中でも、8人組のエビ中こと私立恵比寿中学は、個のキャラ立てが得意なスターダストのグループで、タモリ倶楽部で鉄道アイドルとしてのポジションを確立した廣田あいか、ソロでのシングルリリースが決まった真山りかなど、個々の活動が徐々に目立つようになってきており、いま最も大きなブレイクに近い存在と言えるかもしれません。
老舗のモーニング娘。は道重さゆみという偉大すぎる存在が抜けた後で、どうやって新たなグループの色を作っていくか。しかし、変わらざるを得ない環境にいるということは、大きな可能性を秘めた状態であるとも言えます。
10月にニューヨーク公演を成功させたCheeky Paradeは、まだこれからの存在ですし、ファンの盛り上がりも含めたやんちゃなスタイルは好みの分かれるところですが、大学生世代を中心とした若い層の受けは圧倒的に良く、一点突破的なブレイクの可能性があるかもしれません。