岡田康宏がアイドルグループの“人数”を考察(前編)
アイドルグループは5人組と6人組、どっちが良い? 両編成のメリットを分析
女性アイドルグループに最適なのは何人組か? 5人組でいえばももいろクローバーZ、6人組だとでんぱ組.incが現在の代表的な存在でしょう。主要なグループだけでも、5人組には℃-ute、東京女子流、9nine、ベイビーレイズなど、6人組にはチームしゃちほこ、妄想キャリブレーション、乙女新党など。男性アイドルグループの中でも長く一線で活躍しているSMAP、嵐、TOKIOの3組が揃って5人組ということや、いわゆる特撮戦隊物は5人組が主流で世間一般に馴染みやすいということもあり、実績の面で5人組の優位は動かないところですが、でんぱ組の成功で6人組にも注目が集まっているというのが現状でしょうか。
アイドルグループには奇数組優位説というのがあり、メンバーの人数が奇数だと立ち位置にセンターができるからというのがその理由の一つとされていますが、6人組は3×3の2グループに分ければ簡単にセンターが作れるので偶数組でありながら使い勝手が良いという特徴があります。
もともと女性アイドルグループでも、初期の代表的な存在であるピンクレディーは2人組、キャンディーズは3人組、男性のグループでも少年隊やシブがき隊、たのきんトリオは3人組。先ほどの奇数組優位説と組み合わせて考えると、アイドルグループの主流は3人組から5人組へと徐々に移行してきた歴史があります。これはおそらく、ファンの側の求める情報量が増えてきていることと好みが多様化しているためで、3人よりも5人の方がよりメンバー個人やグループとしての見せ方のバリエーションが豊富であるということが現在の5人組優位の時代につながったと考えられます。
その流れで行けば、次に来るのは7人組の時代ということになりそうですが、一方で人数を増やしすぎると個々のメンバーの差別化や個別の認識をしてもらうためのハードルが上がる難しさがあり、もちろん多くの人数を動かすことになれば、それだけ運用のコストも跳ね上がります。となると偶数組でありながら、センターを作りやすく奇数組の優位な部分にも対応できる6人組に注目が集まるのは必然かもしれません。