TM NETWORKが活動30年で見出した”集束点”とは? ふくりゅうが新作アルバムを解説

 アルバムやツアータイトルである『QUIT30』とは、30年をばっさり区切るという意味だが、リーダーの小室哲哉は「ネガティブな意味ではなく、次世代に向けて再起動するためのシャットダウンのようなもの」と語っていることも興味深い。いわゆる、TM NETWORKの30年間の集大成が本作『QUIT30』であり、集束点=30年を締めくくるラストシーンへ向けて、毎回進化し続けるツアーが現在進行形でおこなわれているのだ。

TM NETWORK / Get Wild 2014(TM NETWORK 30th 1984~ the beginning of the end)

 『QUIT30』のアルバム・ジャケットのロゴにも注目をして欲しい。手書風のロゴは26年前にリリースされたアルバム『CAROL 〜A DAY IN A GIRL’S LIFE 1991〜』と同じものだ。現在進行形な冬のツアーは、当初『TM NETWORK TOUR ’88〜’89 CAROL 〜A DAY IN A GIRL’S LIFE 1991〜』ツアーの再演かと思われていたが、『TM NETWORK 30th 1984〜 QUIT30』は、謎解き要素の強い海外サスペンス・ドラマのような新作オリジナル・ストーリーで、巨大LEDを立体的に駆使した、誰も見たことが無い最新SFエンタテインメントを提供している。11月15日には、アルバムやツアーともシンクロする小室哲哉による小説『CAROLの意味』(KADOKAWA)も発売される。小説には「password」と題された50分のサウンドトラックも付くというこだわりだ。

 音楽から聴くか、小説から読むか、コンサートから体験するか? 

 TM NETWORKの最新プロジェクト『QUIT30』は、音楽を軸としながら、それぞれの物語が、パラレルに進行しながらも、断片的に解け合い、補い合うパズルのような構造になっている。映像が見える音楽、音楽が聴こえる小説、多角的に繋ぎ合わせるコンサート体験。どこから参加してもそれぞれで楽しめるが、やはりアルバムからスタートして、コンサート、小説などすべての作品を体験してみることをオススメしたい。そして、謎解きの断片のような感想をオンラインでもオフラインでも、メディアや仲間を通じて語り合う楽しさ。“ああ、音楽ってこんなにクリエイティヴで、人と人を繋いでくれる楽しいカルチャーなんだ!”そんなアナログ的な発見や喜びを、TM NETWORKはデジタルを通じて教えてくれる。

(文=ふくりゅう(音楽コンシェルジュ/Twitter))

■リリース情報
『QUIT30』
[ALBUM(2CD) + DVD] :4,320円(税込)
[ALBUM(2CD)]:3,780円(税込)
[ALBUM(1CD)]:3,240円(税込)

< Disc1 >
01 Alive
02 I am
03 [QUIT30]Birth
04 [QUIT30]The Beginning Of The End
05 [QUIT30]Mist
06 STORY
07 ある日ある時いつか何処かで
08 LOUD
09 君がいてよかった
10 [QUIT30]Glow
11 [QUIT30]Loop Of The Life
12 [QUIT30]Entrance Of The Earth
13 [QUIT30]The Beginning Of The End II
14 [QUIT30]The Beginning Of The End III
15 Mission to GO
16 If you can

< Disc2 >
01 Always be there
02 [CAROL2014]A Day In The Girl’s Life
03 [CAROL2014]Carol (Carol’s theme I)
04 [CAROL2014]In The Forest
05 [CAROL2014]Carol (Carol’s theme II)
06 Alive (TK Mix)

< DVD >
01 I am (Music Video)
02 LOUD (Music Video)
03 Tetsuya Komuro Special Interview

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