乃木坂46、歴代センターの系譜を振り返る 彼女たちはなぜセンターに選ばれたのか?

 西野の魅力は、守りたくなるようなか弱さと切なさを持ちながら、握手会やライブではファンを魅了するパフォーマンスを発揮していることだ。『Rの法則』(NHK Eテレ)での性格診断でも【典型的アイドルタイプ】と診断されるなど、普段から人にくっつく寂しがり屋であることが結果的に人に愛される術を身につけている理由なのかもしれない。

 そして、10thシングル『何度目の青空か?』の選抜メンバー発表前には、前2作『気づいたら片想い』『夏のFree&Easy』で西野がセンターを務めたため、今年はそのまま西野でいくのか、あるいはAKB48との兼任で成長を続ける生駒里奈がセンターに返り咲くかなど、様々な意見が挙がった。この3年の間で多くのメンバーが成長を遂げたため、センター未経験者も含めて選択肢が広がり、予想も今までで一番難しかったと思われるが、結果的にセンターに選ばれたのは、9thシングル期間内での休業から戻ってきた生田絵梨花だった。

 これまで4人のセンター経験者が作り上げてきたものは、ひとまず生田絵梨花に委ねられた。初代センターの生駒里奈は、先頭に立ち周りのメンバーを引き立てないといけないと考えているが、休業でグループを客観的に見直し、以前よりもグループ全体のことを考えるようになったという生田なら心配はいらないだろう。舞台『虹のプレリュード』で主演を努め、先日放送された『ミュージックステーション』(テレビ朝日)ではピアノの生演奏を披露するなど、新センターとしてその才覚を全国に知らしめている。ただ、他の4人がそうであったように、センターに立つことで成長していく部分も多くあるだろう。センター生田絵梨花の歩みはまだ始まったばかりなのだ。

■ポップス
平成生まれ、音楽業界勤務。Nogizaka Journalにて『乃木坂をよむ!』を寄稿。

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