初回で約4万2000人動員! 世界最大級EDMフェスの日本公演『ULTRA JAPAN』の可能性とは?

「オーディエンスの気合いの入ったファッションも話題となりました。国内はもちろん海外からもたくさんの方々が、各々の国をアピールするナショナル・ルックやフラッグを掲げたり、フラワー・クラウンで光りモノ満載なヒッピー現代版スタイルなどが目に鮮やかでした。ブレスレットをジャラ付けして、会場で出会った人と交換する楽しさもあったそうです。そして、一見チャラそうに見えるオーディエンスも、楽曲を知らないワケではなく、曲のイントロから激しく反応していたり、ヒットチューンではシンガロングするなど、反応も上々でした。事前にYouTubeに、出演DJたちのプレイがアップされていることも予習になっているのかもしれませんが、ドン・キホーテなどのショップでEDMコンピレーションの売れ行きが良いという現象を見ると、洋楽不況とは関係ないところにいるフェスなんだと感じましたね。また、ステージから向かって左サイドには、セットの一部のように目立つ “VVIP席”(VIP席の上位)という著名人や企業の方々が数十万円支払って参加出来るスペースーー『ULTRA MUSIC FESTIVAL』だと、マドンナやレディー・ガガあたりも観に来る、セレブの楽しんでる姿が垣間見れちゃうエリアがあったりと、一般的な“フェス”とは違う楽しさを味わえるのも『ULTRA~』の人気の秘訣かもしれません。会場の外には、チケット完売のため入場出来なかった方や、年齢制限で入れない未成年のファンが、漏れ聴こえる爆音で踊りまくっていたのも印象的でした。そんな方々ともDJの盛り上がりポイントでシンクロというか、交流出来たのが楽しかったです」

 同氏は、『ULTRA JAPAN』が日本の若手DJにとって今後重要な現場になるのではないかと語る。

「ハードウェルやアフロジャックといった、世界TOPレベルのDJによるプレイが最高なのは当たり前として、栄誉ある『ULTRA JAPAN』のメインステージに、次世代のダンスミュージック・シーンを牽引する日本代表としてkz(livetune)、banvox、KSUKEが参加していたことは、若手に大きなチャンスを与えるという意味で素晴らしいと思いました。ニューカマーが登場するUMF RADIOステージでも、BUGLOUDやDJ WILD PARTYのプレイは世界レベルに達していましたし、このフェスを通じてグローバルに活躍できるダンスミュージック界の次世代スターDJが生まれるかもしれませんね。そういった意味合いでも、『ULTRA JAPAN』は音楽本来の楽しさやルールを、今の時代に再定義、アップデートしてくれる大切な“現場”だと思います。初年度の成功は、日本のダンスミュージック・シーンの未来において、とても大きなターニングポイントになったとともに、来年の開催がいまから楽しみです」

 『ULTRA JAPAN』が日本のEDMフェスをこれから牽引し、若手フックアップの場として機能することにより、日本のダンスミュージックシーンはもっと活性化していくのかもしれない。

(文=編集部)

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる