嵐・二宮和也はなぜ『ピカンチ』でヒッピー姿に? その独自の表現スタンスを読み解く

 嵐での歌唱もまた、彼のそういった姿勢を示しているように思える。『弱くても勝てます』の主題歌である「GUTS!」では二宮のソロパートがあり、「嵐のなか戦う友よ、いざゆけ」と一際伸びやかな高音で歌っていて、その歌声は楽曲全体のアクセントとなっている。一方で歌詞は、仲間たちの背中を押すようなものとなっており、まさに全体の“和”を作り出しているようだ。

 そう考えると、『ピカンチ』最新作で奇妙な格好をしているのもうなずけるものがある。きっとタクマは、このような格好をしている通り、5人の中でアクセントとなる役柄であると同時に、その友情の和を紡ぐ役割を果たしているのではないだろうか。30代になった主人公5人の仕事や家庭の悩みがテーマとなった本作で、ヒッピー姿の二宮はどのような演技を見せてくれるのか。公開日を待ちたい。

(文=松下博夫)

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