嵐とSMAP、最大の違いはどこに? 現代思想でグループの特性を読み解く書籍登場

 以前リアルサウンドでも紹介した明治大学法学部で行われている嵐を題材にした講義(参照記事:嵐、大学講義の題材に ジャニーズの文化的側面を研究する意義とは)。そこで教鞭をとる関修氏の著作『隣の嵐くん−カリスマなき時代の偶像−』が6月4日に発売された。フランス現代思想を論拠に、嵐ブレイクの理由や魅力の考察を試みる意欲的な取り組みとなった同書。嵐は時代を映す「鏡」、あるいはこの時代の「微」であるから、嵐を真剣に考えることで自分達の生きるこの時代を知ることができると著者は語る。

 嵐がエポックメイキングな存在である理由、それは彼らが「最良の隣人」であるからと関氏は分析する。各メンバーがそれぞれ別のテリトリーを持ち、個でも活躍しつつ、調和したグループとしてその総和以上の魅力を発揮することから分かるように、嵐はSMAPの正当な後継者である。しかしこの2グループが決定的に異なるのは、SMAPがあくまで「スター」なのに対し、嵐は「隣人」である点。一般大衆にとって日常的な=普通の存在である。その「身近さ」こそ、これまでのグループにはない嵐の強みであり「すごさ」だと関氏は考える。本の中では他のジャニーズグループやK-POPアイドル、AKB48などと比較することで嵐の特異性が明らかにされる。

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