NMB48首位、「チューストライク」は野球好きにも刺さる? AKB48、SKE48もトップ5入りで強さ健在
CD Chart Focus
参考:https://www.oricon.co.jp/rank/js/w/2025-04-21/
2025年4月21日付(4月15日発表)のオリコン週間シングルランキングでは、NMB48の31枚目のシングル『チューストライク』が初週17.5万枚を売り上げ、初登場1位に輝いた。これで1stシングル『絶滅黒髪少女』の初登場1位から続く、「デビュー(1st)からのシングル連続TOP10入り作品数」を、31作に更新。さらに、2023年10月にリリースした28thシングル『渚サイコー!』から、1年6カ月ぶりで自身通算25作目の1位を飾った(※1)。
本作は現在開催中の『2025年日本国際博覧会』(以下、『大阪・関西万博』)のスペシャルサポーターでもあるNMB48の最新シングル。今年、NMB48加入から7年を迎えた塩月希依音が、シングル表題曲では初の単独センターを務めた。彼女たちらしいユニークなタイトルは、野球用語の“ツーストライク”をもじった造語とのこと。あと1ストライクでアウトになってしまう追い込まれた状況を、恋愛における不器用さや焦燥感になぞらえて表現しており、〈三振ばかり〉〈内野安打でいい〉〈何としても 塁に出る〉と歌詞にも野球用語が散りばめられている。NMB48ファンのみならず、野球好きにも刺さる楽曲になっていることは間違いない。
楽曲はと言うと、パワフルかつダンサブルなアッパーチューン。ファンクやディスコミュージックを取り入れたサウンドに、思わず聴く側のボルテージも上がる。注目したいのは、サビでの転調。最も盛り上がるパートにもかかわらずあえてマイナーコードにしたことで、歌詞で描かれる恋を成就させたいという願いが、より切実さを伴って伝わってくる。そしてそれを一層強調するのが、派手なホーンアレンジだ。まるでスタジアムに響く応援団の鳴りもののようで、それが余計に空回り感を演出していてしみじみいい。〈パリラリ パリラ パリラ〉の90年代風のコールもライブでの盛り上がりに一役買いそうだ。
ダメな自分をさらけ出し、突き進もうとする健気さに、かえって勇気をもらえるという意味では、“逆応援歌”と言ってもいいだろう。大阪を拠点にするアイドルらしい飾らない姿はNMB48の魅力の1つ。本作はその長所が存分に発揮された、まさに真骨頂と呼ぶにふさわしい。