福島出身の21歳・片平里菜が目指す女性シンガー像「アヴリルのように芯が強い女性に憧れる」

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10代の女性リスナーから特に人気の片平里菜。花粉症対策のため、ティッシュ箱持参で撮影現場に登場した。

 「閃光ライオット2011」にて審査員特別賞を受賞し、2012年7月には「NANO-MUGEN FES.2012」に出演するなど、一躍脚光を浴びた福島県福島市出身の21歳 シンガーソングライター・片平里菜。2013年8月のメジャーデビューシングル『夏の夜』は、全国約50局のAM/FM/CS局でパワープレイされ、翌年1月にリリースしたセカンドシングル『女の子は泣かない』はオリコン週間ランキング初登場18位を記録(1月27日付け)。その伸びやかな歌声や巧みなソングライティングは、今後JPOPフィールドでの飛躍を予感させるものがある。

 そんな彼女が4月30日、3rdシングル『Oh JANE / あなた』をリリースする。同世代の女性リスナーを中心に支持を集めている彼女は、この曲にどんなメッセージを込めたのか。楽曲制作のきっかけや曲作りの方法、さらには地元福島への思いや自身の音楽ルーツまで、じっくりと語ってもらった。

――今回のシングル『Oh JANE / あなた』は、アップテンポな「Oh JANE」としっとりとした「あなた」が対照的で、里菜さんの二面性が表れていると思います。この2曲はもともと持っていた曲ですか?

片平:はい、そうですね。「あなた」は2011年の時期に書いたもので、「Oh JANE」は去年の春に書きました。「Oh JANE」は、普段思っていることや考えていることをメロディに乗せて歌っていたら、だんだん面白くなってきて形になった感じです。わたしはAメロから順に作っていくんですけど、最初に「たまには乱れてみたい/いつまでもちやほやされたい/でも女はわかってる」っていうフレーズが浮かんで、そこから作り上げていきました。女の子へのメッセージソングで、たとえばBメロには「わからないふりして賢く生きても/いつか花は枯れるわ」という歌詞があるのですが、いつか必ず花は散ってしまうって儚さを知りながらも、それを受け入れて生きていく女性の強さを表現しています。人は老いてしまうけど、本当の意味での美しさというのは、見た目だけじゃないというか。

――「Oh JANE」は誰かをモデルにしている?

片平:『GIジェーン』という、海兵隊に入隊して男性社会をたくましく生きていく女性の映画があって、その主人公のジェーンと、『スパイダーマン』に登場するメリー・ジェーン・ワトソンの2人をモデルにしています。2人とも女性のしたたかさがありながら、可憐なところもあるキャラクターなので、曲のイメージに合っていました。

――リスナーは里菜さんの人柄にも興味があると思いますが、GIジェーンとメリー・ジェーン・ワトソン、自分に近いのはどっち?

片平:今はGIジェーンに偏っているかな。モテるために自分を磨くみたいことは怠っている感じで、自分が決めた道――音楽を最優先する感じですね。本当は女性として可愛い部分とかも大事にしていきたいとは思いますけどね(笑)。

片平里菜 「Oh JANE」 Music Video

――里菜さんの楽曲は特に10代の女の子に支持されているそうですね。

片平:人からどう思われるかは常に不安で、女性目線で共感できるのかなとか、男性からしたら衝撃的な歌詞なんじゃないかなとか、いろいろ思いましたけど、でも予想以上に共感してくれる方が多かったのでうれしかったですね。特に10代の女の子からは「こういう経験したことある」とか言われることもあって、感覚がズレてなくて良かったって思いました。

――里菜さんの歌詞に出てくるような強い女性像はアメリカやイギリスの音楽では一般的ですが、海外のシンガーの影響はありますか?

片平:洋楽の女性シンガーにはすごく憧れがありますね。アラニス・モリセット、ジャニス・ジョプリン、パティ・スミス、トレイシー・チャップマンなどが好きです。でも、入口となったのはアヴリル・ラヴィーンでした。性格がはっきりしていて芯が強くて、かっこいい感じ。そこからどんどん洋楽に興味が湧いてきて、遡って聴いていくうちに、いろんな女性と出会って、私もこうありたいな思うようになりました。

――ジャニス・ジョップリンやパティ・スミスなど伝説的なミュージシャンの名前が出ましたが、彼女たちはしなやかでありながら、とても力強い世界を作っていました。

片平:そうですね。メロディや歌詞の世界観もそうですし、音楽だけじゃなく、生き方も尊敬できる。日本の女性アーティストの場合、音楽以外のプライベートは結婚して子ども産んで、といった側面が多く見られますが、海外のアーティストの場合は、音楽以外でもいろいろと活動をしていて、絵を描いていたりとか、社会的なことに貢献していたりします。そういうところに惹かれます。

――曲を作り始めた頃はどんな感じでした?

片平:アヴリルに憧れた中学時代、その時から私は歌手になるんだ、って決めていたんです。でも、当時は歌も全然ダメだったので、どうすればいいんだろうって、ずっと考えながら行動していました。本当に手探り状態だったんですけど、自分でネットで調べてボイトレをやってみたり、オーディション受けたりしていました。しかも私の場合、声域が狭くてぜんぜん高い声が出なかったので、学校の部活が終わってから家に帰って自分の布団にくるまって叫んだりもしていました。

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