YANATAKEの現場発レコメンド 第2回:クラウドファンディング「Makuake」
クラウドファンディングでアルバム制作 DJ HASEBEが見出した新しい創作スタイルとは?
音楽不況と言われる今、アーティストはどんなことを考えて新たな時代を生き抜かなくてはならないのか? レコード会社との契約を結ぶのか、それともフリーダウンロードで名を上げてライブで稼ぐべきなのか――。
今回の連載でフォーカスするのは、インターネットを介して一般から支援(資金調達)を募る「クラウドファンディング」。世界的には盛んになってきていますが、日本での浸透度はまだまだ浅いサービスです。しかし、新たな可能性を感じた音楽プロデューサーでもあるDJ HASEBEが、サイバーエージェント・クラウドファンディングが立ち上げた「Makuake」を利用し、ニューアルバムの制作に取りかかるということで、インタビューを敢行してきました。音楽業界全体から見ても、注目すべき発言が多数飛び出しましたよ!
「やりたいことを100パーセント活かせる可能性は、クラウドファンディングにある」
――なぜ今回、クラウドファンディングを利用してアルバムを制作してみようと思ったのですか?
DJ HASEBE:現在の一般的な音楽制作の視点から流通を冷静に見たときに、オリジナル・アルバムでもコンピレーションCDの制作においても、ある程度はマーケットを想定した内容を考えなくてはならないし、プロデュースやリミックスを手がけるにも、アーティストのカラーに合わせていくことが重要な時代です。これはもう当たり前のことになりましたが、クリエイターである以上、自分のやりたいことを100パーセント活かせる可能性は、クラウドファンディングにあると感じたことが、今回プロジェクトに参加したきっかけです。
特に今回制作しようと思っているアルバムは、インストゥルメンタル楽曲のみという実験的な要素が強いので、企画段階からファンの人たちに直接参加してもらうようなイメージで進めていけるところに魅力を感じました。これまでに海外でのクラウドファンディングの事例はいくつも耳にしたことはありましたが、日本ではこれから開拓していかなくてはいけない分野だし、早い段階で僕がチャレンジすることによって、サービスそのもの、プロジェクト自体にもインパクトも付けたいという狙いもありました。そんな矢先に、日頃からアメブロでお世話になっているサイバーエージェントが手掛ける「Makuake」にかけ合ってみたところ、僕のスタンスとも合致し、すぐに賛同してもらうことができました。それからプロジェクトはあっという間に進んでいった形ですね。