千葉雄大はいくつになってもチャーミング 個性を確立したドラマでの歩み

千葉雄大、多方面でキャラクターを発揮

 かわいい系イケメン俳優としてドラマや映画で活躍する千葉雄大。しかし今やその活躍は役者だけに留まらない。

 千葉は『天装戦隊ゴセイジャー』(テレビ朝日系)でデビュー。スーパー戦隊シリーズの主演としてヒーローを演じた。同シリーズは若手俳優の登竜門とも呼ばれ、千葉の他にも松坂桃李、竜星涼、志尊淳などを輩出している。

 その後は『桜蘭高校ホスト部』(TBS系)や『SUMMER NUDE』(フジテレビ系)、『水球ヤンキース』(フジテレビ系)など若手イケメン俳優が一堂に会する作品で、あざとかわいい姿で個性を確立。多くのイケメンが集まる中で「かわいい系と言えば千葉雄大」という強烈な印象を持たせた。

 先日最終回を迎えた『いいね!光源氏くん』(NHK総合)では主演を務め、雅な「源氏物語」の世界から現代に来てしまったが故に少し的外れた言動が可愛い光源氏として視聴者を虜に。伊藤沙莉演じる沙織に時にツッコまれ、時にそんな沙織を優しくサポートする光源氏はまさに千葉にぴったりの役どころだろう。現在はその“あざとかわいさ”を逆手にとって武器にしたキャラを引っさげ、人気女子アナウンサーの田中みな実や弘中綾香と並びバラエティ番組『あざとくて何が悪いの?』(テレビ朝日系)にも出演。その強烈なキャラクターと笑いに対する物怖じしない姿で一気に知名度をあげることになった。芝居から確立した個性をタレントとしても遺憾無く発揮している。

 今回は千葉のキャリアを築いてきたドラマ作品を振り返り、千葉の役者としての歩みをおさらいしていきたい。

『桜蘭高校ホスト部』

桜蘭高校ホスト部

 千葉の“かわいさ”を前面に出し、そのキャラクターを確固たるものにした作品である。漫画原作である本作で千葉が演じたのは、通称“ハニー先輩”と呼ばれる、ウサギのぬいぐるみを抱え甘いものに目がない、少年のような役。原作では高校3年生にして148cmという設定だ。いくら千葉が可愛いとは言え、千葉の身長は170cm以上あり、さらにこのとき既に千葉の年齢は20歳を超え成人していた。それにも関わらず千葉はこの役を全うし、全力で「かわいい少年」を追求する。スーパーヒーロー物を終えすぐに手にした役で、自分に秘められた個性をしっかり意識し芝居に落とし込む姿で役者としての信頼を得ていった。『天装戦隊ゴセイジャー』の頃から、仕事熱心で役に対して真摯に取り組むと言われていた千葉は、本作でもその姿をプロデューサーに絶賛されている(引用:プロデューサー日記|映画『桜蘭高校ホスト部』)。この頃から役者として熱い気持ちを秘めていたことが伺えるエピソードだ。

『黒崎くんの言いなりになんてならない』(日本テレビ系)

スペシャルドラマ 黒崎くんの言いなりになんてならない

 本作で千葉は、主人公の由宇(小松菜奈)が最初に恋をする白河タクミ役を演じた。ドSな黒悪魔こと黒崎晴人(中島健人)と対極に位置する白王子こと白河は、優しく穏やかな性格が魅力の役どころ。まさに“王子様”のような魅力が求められる。この時、既に25歳を超えているにも関わらず、千葉は制服姿で“王子キャラの金髪高校生役”を熱演。『桜蘭高校ホスト部』に続いて、またしても漫画原作の難しい設定をモノにした。千葉は非常に器用な役者である。いわゆる「漫画らしい」シーンを撮るときに、ちょっとした抑揚の違いや、照れが出たりすればすぐに台無しになってしまう。だが千葉はそんなシーンを体当たりで演じ、正解を見つけにいける役者なのだ。そのパワーは今でもバラエティなどで見せる突拍子も無い面白さからも垣間見える。突き抜けて“やりきる”力があるため、セリフにすると少し洒落込んだシーンさえバシっと決めることができる。バラエティで変顔をしても、かっこ悪くならずスカッと笑える。この点での思い切りの良さは千葉の持つ最大の魅力だろう。

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