のん、表現者としての不屈の抵抗 監督作『Ribbon』に込めた切実な思い
のん監督・主演の最新作『Ribbon』は、パンデミックによる人間活動の停止そのものを直截的に描いた映画である。コロナ禍が始まった…
近年(個人的に)再評価の波が高まりつつあるribbon。高校時代、“ribbon命”を掲げた同輩も多かろう。おぼこいおぼこい永作博美、ソフト部キャプテン風な佐藤愛子、マニア好みの松野有里巳。俺たちは、放課後の教室や友人の部屋でファンタを飲みながら、熱く語ったもの……。「俺は絶対、有里巳だな」「えぇぇぇえ! マジ? どこがいいの?」「なんでぇ、デラかわいいがぁ」……と延々。
89年にシングル「リトル☆デイト」にてデビュー。以降、適度に乳臭く、適度に洗練された三位一体ヴォイスを武器に「Virgin Snow」「サイレント・サマー」などスマッシュ・ヒットを数多く生み出す。しかし、残念ながら大ブレイクというわけにはいかなかった。
アーティスト性重視の90年代において、純然たるアイドルを貫いた彼女たち。あまりに眩しかった。
のん監督・主演の最新作『Ribbon』は、パンデミックによる人間活動の停止そのものを直截的に描いた映画である。コロナ禍が始まった…