けやき坂46「イマニミテイロ」はグループの現在地を示す? 楽曲のメッセージ性を読み解く

 けやき坂46の新曲「イマニミテイロ」が2月19日、ラジオ『ゆうがたパラダイス』(NHK-FM)で初オンエアされた。同曲は、欅坂46の6thシングル『ガラスを割れ!』(3月7日リリース)にカップリング曲として収録されている。

欅坂46『ガラスを割れ!』(初回限定盤Type-B)

 「ガラスを割れ!」がNTTドコモのタイアップ曲として起用され、メンバーが出演するCMにも注目が集まっている欅坂46。「イマニミテイロ」以外の同シングルのカップリング曲もすでに発表されており、漢字欅の「もう森へ帰ろうか?」(全TYPE収録)、『24h cosme』のタイアップ曲である平手友梨奈のソロ曲「夜明けの孤独」(TYPE-A収録)、ゆいちゃんず(今泉佑唯&小林由依)の「ゼンマイ仕掛けの夢」(TYPE-C収録)、尾関梨香&小池美波&長濱ねるの新ユニットによる「バスルームトラベル」(TYPE-D収録)、けやき坂46(ひらがなけやき)1期生の「イマニミテイロ」(TYPE-B収録)、ひらがなけやき2期生の「半分の記憶」(通常盤収録)が各TYPEにそれぞれ収録。歌うグループやユニットにそれぞれのストーリーが垣間見える、魅力的なラインナップとなっている。

 「イマニミテイロ」は、ひらがなけやきの日本武道館3Days公演のアンコールで初披露された新曲。ひらがなけやきの結成から現在までのVTRがモニターに流れ、漢字欅に対して自分たちの存在価値とは何なのか、日本武道館3Daysへの不安や葛藤が映し出された後、「漢字のアンダーなんて言わせない イマニミテイロ」という言葉に続く形で歌唱された。同曲からは、今置かれている状況に対する感情や、無謀だと思われていた武道館公演を成功させたいという意気込みが伝わってくる。同公演のシンボリックな1曲となったのは間違いなく、この曲を聴くとライブの感動的な記憶が甦ってくる。きっと、メンバーを含めライブに参加したすべての人にとって、思い入れのある1曲になったはずだ。

 『ゆうがたパラダイス』で佐々木久美は、同曲について「初期の時の気持ちとか入ってて、歌詞がどストレートで、本当に武道館に立った私たちに気持ちがリンクしていて、なんかずっと大切に歌っていきたい曲だなって思ってます」と語り、武道館公演でこの曲のセンターを務めた佐々木美玲は「本当に今の私たちだなって共感できて、今まではけっこう踊ってる曲が多くて、私たちがモットーにしているハッピーオーラだったんですけど、この曲は初めて聴かせる曲だなって思うので、ぜひ聴いてほしいなって思います」と解説している。

 確かに同曲は、ひらがなけやきが得意とする「ハッピーオーラ」とは異なる色を持つ力強い曲だ。一見するとリベンジや下克上を思わせる攻撃的なタイトル、さらに<臆病者>、<喧嘩を買うように頷く>、<腰抜けども>など、ひらがなけやきには似つかわしくない挑発的な単語が並ぶのも印象的だ。最初に聴いた時は違和感を覚えたが、漢字欅や武道館という高い壁に挑む彼女たちの熱い想いを表現するには、着飾った姿ではなく、それぐらいの覚悟と本気の気持ちを持たなければならない、という想いが込められているのではないか。彼女たちの最近の曲で言えば、ドラマ『Re:Mind』(テレビ東京)の主題歌「それでも歩いてる」は、フォークソング調の人生応援歌であった。そのほか「NO WAR in the future」では世界平和を歌っており、今回の「イマニミテイロ」もまたフォークソング的な強いメッセージを含んだ楽曲であると言えるのかもしれない。

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