竹達彩奈が語る、表現や歌手活動に対する本音「5年間やらせていただいて吹っ切れた部分もある」

竹達彩奈、5周年で芽生えた変化

 竹達彩奈が10thシングル『OH MY シュガーフィーリング!!』を1月31日にリリースした。

 2017年にソロ歌手デビュー5周年を迎え、ベストアルバム『apple feuille』をリリースした竹達。シングル作品としては、2016年6月に発売された『Miss. Revolutionist』以来のリリースとなる。同作の表題曲は、テレビアニメ『だがしかし2』(TBS系)のオープニングテーマを担当。また、カップリング曲「セピア色」では、1stアルバム『apple symphony』の収録曲「HIKARI」でタッグを組んだ奥華子が、再び作詞・作曲を務めている。

 2018年でソロデビュー6年目に突入する竹達。インタビューでは、同作の制作エピソードをはじめ、5周年を機に芽生えた歌手としての心境の変化やこれからの活動についてたっぷり語ってもらった。(編集部)

「ほたるさんはトリッキーでちょっと掴めない人」

竹達彩奈

ーーシングルとしては2016年6月の『Miss. Revolutionist』以来、久々のリリースになりますね。

竹達:そうですね。でも、その間にアルバム(2016年11月リリースの3rdアルバム『Lyrical Concerto』)を出させていただいたり、ベストアルバム(2017年11月リリースの『apple feuille』)の制作もしていたので、あまり久しぶりだとは感じてなかったです。ただ、今回は『だがしかし2』のタイアップでオープニングを歌わせていただけることになったので、より緊張はしましたね。

ーーやはりオープニングとエンディングでは心持ちに変化があるのでしょうか?

竹達:もちろんエンディングも緊張はするんですけど、やはりオープニングテーマはアニメの顔というイメージを持っているので、より緊張感が高まりますね。私自身も小さな頃から毎回おうちで膝を抱えて楽しんでアニメのオープニングを観ていたので、オープニングという言葉を聞くと「は~、緊張する……!」と思いました。私もオープニングを楽しみにしながら聴いてたからこそ、みんなにもぜひワクワクしてもらえるような曲を歌えたらと思って制作しました。

ーーしかも竹達さんは『だがしかし』にヒロインの枝垂ほたる役で出演しているわけで、また違った緊張感もあったのでは?

竹達:そうですね。一期の時は相当緊張したというか、怖かったんですよ。ほたるさんは原作を読んだりアフレコで何度演じてみても、トリッキーでちょっと掴めない人なんです。“駄菓子が好き”という気持ちが行動の原動力になっている子なんですけど、年齢も不詳だし、なかなかミステリアスなキャラクターですね。

ーー『だがしかし』という作品に対しては、どのようなお気持ちを抱いてますか?

竹達:一期の時はそれこそほたるさんに食らいついていくのに必死で、大変だった思い出が強いです。でも二期では前よりもほたるさんと仲良くなれてる気がします。私も子供の頃から駄菓子屋さんが好きだったので、毎回新しい駄菓子に出会えることも楽しくて、演じながらも懐かしい気分を味わえたりするのがすごく嬉しいです。二期になって久々にキャストのみんなで集まったときも、アフレコ現場にお菓子を用意していただいて、みんなでブタメンを食べたり、すっぱいぶどうにご用心で誰が酸っぱいのを当てるか遊んだりして、「ああ、帰ってきたな」っていう気持ちになりました。今回はオープニングを歌わせていただくので、放送を楽しんでいただいてる方々をより近くに感じることができるし、私にとってもすごくハッピーな気持ちになれる作品だと思います。

「『Hey!カロリーQueen』を超えていかなきゃいけない」

ーーオープニングテーマを担当するにあたって、作品に寄り添うために心がけたことはありますか?

竹達:私はほたるさんを演じてはいますけど、オープニングは竹達彩奈名義で歌っています。キャラクターソングになってはいけないのですが、ちゃんと作品の世界観に寄り添うことも必要だと考えています。なので、“竹達彩奈と『だがしかし』がコラボしたらどうなるのか?”というのを意識しましたね。ただ、一期で作品の世界観をある程度理解してからの二期オープニングだったので、よりこだわって作らせてもらえた部分も多かったと思います。

竹達彩奈「Hey!カロリーQueen」MV

ーー一期のエンディングテーマだった「Hey!カロリーQueen」は、ベスト盤の収録曲を決めるためのファン投票企画で2位になるほどの人気曲になったわけですが、それを踏まえての二期主題歌ということでプレッシャーもあったのでは?

竹達:やっぱりありますよね(笑)。「Hey!カロリーQueen」のパワーワードぶりがすごくて、一時期は〈カロリーQueen〉と言っただけでみんなが笑ってくれるぐらい、影響力のある言葉だったんですよ。それを超えていかなきゃいけないというか、もっといいねと思ってもらえるような曲にしなければいけないと思っていました。たぶん、それは私だけではなく、ポニーキャニオンさんの中でもピリピリしてたんじゃないかなと思います(笑)。

ーーその甲斐もあってか、すごくインパクトのある楽曲に仕上がっています。楽曲を制作するにあたって具体的にこだわられた部分はありますか?

竹達:今回の曲はひっちゃかめっちゃかな感じにしたいと思っていました。ほたるさんのトリッキーな部分とか、お菓子がたくさん入ってる箱を思いっきりひっくり返したようなイメージのわちゃわちゃ感とポップ感を出せたらと思って、曲を選んだり、歌詞を書いていただいたんです。特に〈シュガーフィーリング〉というフレーズをずっと繰り返してるので、それが中毒性というか、頭にずっと残る感じになったと思いますね。

ーーその繰り返してる部分を含めて、この曲はずっと歌い続けてる感じがあって、かなり大変そうに感じたんですけど。どこで息継ぎをしてるんだろう? って。

竹達:確かに……でも歌えちゃったんですよね(笑)。私的には今回の曲はキーも高くなかったし、肺活量もある方なので、レコーディングの時はそんなに辛くなかった気がします。でも〈シュガーフィーリング シュガーフィーリング〉という歌詞が並びすぎていて、「いま私はどこのシュガーフィーリングを歌ってるんだろう?」ってゲシュタルト崩壊みたいになってしまうことはありました(笑)。

ーーライブで歌うときも気をつけないと混乱しそうですね(笑)。歌い方に関して気をつけた部分はありますか?

竹達:あまり可愛すぎないように歌った気はします。もちろん可愛く歌いたい気持ちもあったんですけど、今回はちょっとビターな部分というか、甘さの中にある苦味みたいなものを歌に出したら、ほたるさんっぽい大人な部分を表現できるんじゃないかと思って。今までの歌い方よりはわりとナチュラルな感じかもしれません。でも曲がポップで賑やかな感じなので、そこは普通に歌いすぎると合わなくなるのでバランスを見ながらでしたね。ほたるさんそのものではないんだけど、“ほたるさんエキス”みたいなのをちょっと入れたイメージです。

ーーそこは『だがしかし』という作品に寄り添った部分ですね。歌詞はpetit miladyの楽曲を多数手掛けてらっしゃる中村彼方さんですが、竹達さんのソロ曲を作詞されるのは今回が初になります。

竹達:私は彼方さんが書いてくださる歌詞がすごく好きなんですよ。これまで何度かラジオに遊びに来ていただいたことがあって、その時にどういう風に作詞されているのか、お話を伺う機会があったんですけど、彼方さんの考え方や詞への向き合い方がすごく素敵だな、と。ソロでもいつか一緒にやらせていただけたらと思っていたので、今回『だがしかし2』のお話をいただいたときに「彼方さんなら絶対に間違いない!」と思ってお願いしました。彼方さんはすごく真摯に作品と向かい合ってくださる方で、原作や作品の世界観とか、演者さんの気持ちやイメージまでちゃんと取り込んでくださるので、安心してお任せできました。

ーー上がってきた歌詞をご覧になっていかがでしたか?

竹達:もう素晴らしいと思いましたね。何ていうか、「すごい!何言ってるかわからない感じ!」っていうんでしょうか(笑) 。

ーー褒めてるんだか何だかわからないですけど(笑)。

竹達:歌詞に難しい言葉が入りながらも、〈シュガーフィーリング〉というすごくキャッチーな言葉をずっと繰り返すひっちゃかめっちゃかな感じが良いなって思いました。それでいて、ココノツくん(『だがしかし』の主人公)からほたるさんへの恋心なのか、ほたるさんからココノツくんへの気持ちなのかはわからないですけど、ちょっとドキドキするような甘酸っぱさもあって、すごく絶妙なバランスで書いてくださりましたね。

竹達彩奈「OH MY シュガーフィーリング!!」MV(short ver.)

ーー今回はMVでもお菓子の世界がCGで表現されていて、ポップで賑やかなものになってますね。

竹達:今回は全編フルグリーンバック撮影でやらせていただきました。私は実写なんですけど、お部屋がちょっとアニメっぽい感じだったり、二次元になった私のキャラクターが出てきたり、2.5 次元感のある賑やかな映像になりました。すごく可愛らしい世界観にまとめていただいてお気に入りなんです。それと最後まで見てくださったらわかるんですけど、とあるアイテムが登場するんですよ。ファンの方が見たら「おーっ!」ってなると思うので、そこは見てのお楽しみということで。

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