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シングル『Freedom』リリースインタビュー

マンチェスターテロ事件から改めて考えたーーCrossfaithが語る、“音楽で表現すべきこと”

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「考えることを放棄することだけは避けたい」(Teru)

ーーCrossfaithは海外と日本で並行して活動しているので、それぞれの国の良さや文化の違い、情勢の動きを肌でダイレクトに感じていると思います。それこそ5月に、アリアナ・グランデのマンチェスターでのコンサートでのテロがあったときも、皆さんはイギリスにいらしたんですよね?

Koie:はい。フェスに出演するためにちょうどアイルランドからバーミンガムに移動したタイミングで、実際にマシンガンを持った警察官や特殊部隊がしっかり警備している場面を目にしました。

ーーそういう状況を実際に現地で目にしていると。でも、日本で生活していると情報はテレビやネットで伝わってくるものの、みんなどこか「よその国の出来事」みたいに他人事として観ている感じもあって。それこそ、日本は日本で隣国からいつミサイルが飛んでくるかわからないという危機感があるはずなのに、そこも人によっては楽観視しているし。

Koie:数は減っているとはいえ、ヨーロッパでは年間数百件というテロが起きている。そう考えると、やっぱり日本と海外とでは状況が全然違うと思いますね。実際、起きている距離が違いすぎるし。

Hiro:例えば日本のバンドマンがライブを終えて打ち上げをしていても、そういう話にまったくならないというのも、僕は違和感があるというか。ロックバンドをやっている人たちは何か怒りがあったり何か伝えたいことがあったりするはずなのに、まったくそういう話にならない。でも、海外では20歳前後でも自国の歴史も政治の状況もわかっていて、それに対して自分の意見もちゃんと持っている。今これだけ色んな法案がどんどん決まっているのに、それに対してまったくアクションを起こさなかったり、アクションの前にそもそもその状況も知らないというのは、すごく恥ずかしいことなんじゃないかな。今この日本で起きている状況とか、政治の仕組みとか、そういう最低限のことを知る必要があると思ってます。

ーーTeruさんは日本の国民性と海外の国民性の違いについて、何か感じるところはありますか?

Teru:国によって政治も違うし宗教も違うから、ちゃんとわかりあえることはなかなか難しいと思うけど、それでも家族が亡くなったら悲しいという気持ちは共通して持っている部分だと思う。ただ、Crossfaithというバンドのインタビューとして答えるのであれば、俺たちのやってきた活動や俺たちだからこそのメッセージをどう伝えていくか。伝えるにはその根っこの部分を自分なりに一度考える作業が絶対に必要だと思うので、それを音楽なりライブなりに置き換える、そこがCrossfaithだからできるっていうことは考えていかないといけないことなんだろうなとは思いますね。

ーー政治的なことを直接歌詞にするアーティストもいるけど、CrossfaithにはCrossfaithのやり方があるわけで、それを自分たちの表現で伝えていくことが大事だと。

Teru:そうですね。もちろん個人として伝えたほうがいいこともあるし、バンドとしてこの5人で伝えたほうがいいこともある。もちろん5人のフィルターを通して伝えるのにふさわしいものもあれば、湾曲してしまって難しくなってしまうものもある。ただ、考えることを放棄することだけは避けたいなとは思いますね。

Hiro:俺はこの話、さっきの『ACROSS THE FUTURE』にも全部つながっていると思っていて。『ACROSS THE FUTURE』で新しい外の世界を見せることは、何か始めるきっかけになったり、集団の中で受容しているところから抜け出すために押し出してあげる作業でもあるんじゃないかなと。そこに政治的なメッセージを直接含んでなくても、やっていることは俺の中では一緒なんですよね。だから“個に目覚める”っていうところでいうと、俺はつながっていてほしいなと思ってやってます。

「便利になることは自由ではなくなるという意味にも捉えられる」(Koie)

ーーなるほど。では、ここから新作『FREEDOM』の話題に入りたいと思います。結成10周年のタイミングに“FREEDOM”というタイトルを掲げた新作を出すのはすごくCrossfaithらしいと思ったし、2017年というこのタイミングにこの言葉を選んだことにもすごく響くものがありました。

Koie:表題曲の「Freedom」は、今までの中でもかなり情景やシチュエーションに対してフォーカスされている楽曲で。それは歌詞の中にも入っている「自由に向かって走っていく」ということで、自由の意味はすごく広いので俺はそれを定義することはできないんですけど、そこにHiroが言った“個に目覚める”もそうだし、人間として気づきを得るということもそう。今はどんどん便利な世の中になっていて、音楽を聴くにもApple MusicやSpotifyがあって、「あなたにはこれがオススメです」とプレイリストが用意されて、昔は自分で探していた部分がどんどん受け身になってきている。便利になることは自由ではなくなるという意味にも捉えられるやろうし、そういうところも含めて「Freedom」という……さっき言っていただいた10周年で、そして今この時代にそのタイトルを掲げるからこそ意味があるというのは、本当にそのとおりだと思っています。

Kazuki:僕がロックに憧れたのは、そのロックアーティストたちがすごく自由に見えたから。そういう意味では今の活動を通してやりたいこと、カッコイイと思うことを突き進んでやっていくとか、そういうところに僕は自由を求めているのかな。そういう意味では、Crossfaithの10年間の活動で自由を掴み取ろうとしてきたのかもしれませんね。

ーーなるほど。サウンド面はいかがですか?

Teru:今回はプロデューサーを、前作の『New Age Warriors』とその前の『XENO』を手がけたジョシュ(・ウィルバー)から変えているんです。今回エンジニアに起用したドリュー(・ファルク)が手がけた音源に惹かれたというのと、年齢が近いのが大きくて。俺らは作品を作るたびに変化を求めたり、自分たちがより刺激があるもの、感動を与えてくれたもの、それを作ったときに感じた一番新鮮な気持ちを曲にしたいという思いがあるので、そういう部分で年齢が近ければ話せることも多いだろうし、感性的にも何か新しいものがあるのかなと思ってドリューを起用したんです。実は今回、海外に行かずに日本でレコーディングしたんですよね。海外でレコーディングしないのは4、5年ぶりじゃないかな。

Koie:2ndアルバム(2011年の『The Dream, The Space』)以来?

Teru:うん。そこも大きな違いかな。で、ドリューは実際にコミュニケーションが取りやすかったし、聴いてきた音楽もある程度近かったので「言わんでもわかってくれてるな」というのもあったし。そこに、Enter Shikariのラウ(・レイノルズ)をフィーチャリングボーカルに迎えて、ああいうトラップ的なトラックとロックと融合させる試みも面白い形でやれたんじゃないかな。例えばヒップホップが好きな人やロックを聴かないような人にも引っかかって、クロスオーバーしたら嬉しいですね。

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