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Cocept Mini Album『SOUL』インタビュー

SCREEN modeが語る、新たな季節の始まり “アニソンなし”で見せた表現の奥行き

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 笑いありダンスあり演技あり、これまでにない多彩なパフォーマンスにチャレンジした「WHY NOT!」のMVを見れば一目瞭然。SCREEN modeはいま、新たな変革のシーズンを迎えている。その「WHY NOT!」を含むニューアルバム『SOUL』は、アニソン・タイアップをまったく含まないコンセプト作。ふたりのルーツでもあるブラック・ミュージックをテーマに、豪華ミュージシャンと作詞家を起用して作り上げた、自信作にして野心作。常にアニソン界に問題提起をし続ける、SCREEN modeはどこへ向かおうとしているのか? 注目のロング・インタビュー。(宮本英夫)

「一度原点に立ち返ることが必要ではないか」(雅友)

ーーアルバムのリード曲「WHY NOT!」のMV、見ました。こういうコミカルなタッチの映像って、初めてじゃないですか。

勇-YOU-:そうですね。ユーモアたっぷりのドラマ・シーンをやりつつ、キリッと踊ってカチッと歌うという、両極端なところを見せられたかなと。ドラマを撮る時もすごく楽しくて、もっとこうしたら面白くできるんじゃないか?とか、発想がどんどんふくらんで。いつも以上に楽しくて、それが反映できてればいいなと思います。

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勇-YOU-

ーーばっちりです。雅友さんの演技も。

雅友:バーテンでね。

勇-YOU-:雅友さん、昔、アルバイトで本当にバーテンをやってたことがあるんですよ。

ーー道理で。はまりすぎてる。

雅友:頑張りました。

ーー勇-YOU-さんもすごいですよ。今回も、体を張りまくり。

勇-YOU-:雅友さんにも狙いがあって、3回連続、MVで殴られるという(笑)。しかも倒れるところも、「ROUGH DIAMONDS」で殴られる時の描写と限りなく近いものにしようという、雅友さんの狙いがあって。監督も一緒なんで、意見交換もしやすかったですね。

ーーアルバム『SOUL』にも、新しさをたっぷり感じました。まさにソウルで、ラブで、アダルトで、今までにない要素をドバっと出してきたなという感じがして。これは面白いぞと。

雅友:いろいろ考えて、ここに至ったんですけどね。そもそも去年の年末に、年間のアニメ・チャートでキャラソンが上位を占めて、アニソン・アーティストが苦戦している、みたいな報道があったんですよ。それを見て、思うところがあったんですね。この話は前もしたと思いますけど、僕がこの仕事を始めたのは2001年代初頭で、当時のアニメソングというのは、様々な洋楽だったり、70年代や80年代のアイドル、松田聖子さん、中森明菜さんであったりとか、そういうものを参考に、何か新しいものを作ろうということをやっていた。それが今のアニソンと呼ばれるものの、基礎になっていると思うんですけども。そこから考えると、今は2017年で、アニメソングも3世代か4世代経過してきてると思うんですよ。

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雅友

ーーはい。なるほど。

雅友:でも最近のアニソンは、1年前に流行ったアニソンとかを参考にして、コンペして、作っているということが繰り返されている。アニメソング自体が、進化が止まっているような気がしていて。

ーーうーん。

雅友:キャラソンはそれでいいと思うんですよ、作品を表現できていれば。ただキャラソンではなく、その人自身になった時に、作品の強度が低くなると思うんですね。そんなことを、最近のアニソン業界の潮流を見ていて感じる部分があって、あの頃のやり方に一回戻す必要があるんじゃないか?と。いわゆるルーツ・ミュージック的なものをちゃんとやる、それが今の業界には必要なんじゃないかな?と思っていて。

ーーわかります。

雅友:そうして、アーティストとして単体で成り立つものになったら、ようやくそこで、アニメソングを作るものとして、アニメに対して誠心誠意向き合えると思うんですよ。作品がないと音楽ができない、ということになっちゃうと、アニメに頼りすぎてる存在になっちゃうじゃないですか。そうじゃなくて、単体でもスッと立つことができて、かつ両方が寄り添うことによって、すごいシナジー(相乗)が生まれれば、そのアーティストも、より作品の一部になっていく。そういう存在になる必要があるなということを痛感していて、そのためには一回どこかのタイミングで、ノンタイアップでものづくりをしてみる必要があるんじゃないか? というふうに感じていて。……というような話を、ランティスのプロデューサーとしゃべっていたら、じゃあ一回ノンタイアップでアルバム作ってみる? と、言っていただきまして。通常はなかなか難しいんですけど、まさかの神対応で。

勇-YOU-:神対応。ランティスさまさま、ですよ。

雅友:で、ブラック・ミュージックのようなものをやるとすると、打ち込みだとなかなか難しいんですね。生でやらなきゃいけない。そうすると、お金もかかるじゃないですか。

ーーぶっちゃけ、そうですね。

雅友:それもまた神対応で、必要なものはやってよろしいということになりまして。まさかのノンタイアップで、ほぼ全部が生の、ブラック・ミュージックのアルバムを、このタイミングで出すという奇跡が起きました。それも、今説明してきた通り、高邁な理想のもとに行っているという次第です。

ーーいやあ。ほんとすごいです。

雅友:なんで急にこんなことやってるの?って、思われたと思うんですけど。一度原点に立ち返ることが必要ではないかということなんですね。

ーーその結論に至るまでには、勇-YOU-さんの存在も非常に大きかったと思うんですよね。勇-YOU-さんは昔からブラック・ミュージックが大好きで、SCREEN modeになる前には、そういうジャンルの歌をずっと歌ってきていたわけで。

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雅友:そうなんです。一回アニメから離れたところで、じゃあ自分たちは何をやりますか?となった時に、ロックはずっとやってきているし、それ以外だと、二人の共通点としてブラック・ミュージックをやってみようか、ということですね。

ーー勇さん、ずっと言ってましたよね。ブラック・ミュージック愛を。

勇-YOU-:そうなんですよね。でもなかなか、それを打ち出せる機会がなくて。18歳で専門学校に入って、音楽をやり始めようと思った最初の頃に、よく聴いていたのがブラック・ミュージックで。スティーヴィー・ワンダー、マイケル・ジャクソン、ブライアン・マックナイト、エリック・ベネイ、マックスウェルとかを好んで聴いていたので。今なら、もともとの自分の魂の根っこの部分みたいなところを打ち出して、しかもSCREEN modeとしての可能性も広がるんじゃないか?とか、そういう期待感もあったし。自分の魂につながっているから“SOUL”という意味が、僕としてはありますね。

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