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柴 那典のチャート一刀両断!

NEWS「EMMA」に感じた「チャンカパーナ」との類似性 楽曲手掛けたヒロイズムの手腕を読む

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参考:2017年2月6日~2017年2月12日のCDシングル週間ランキング(2017年2月20日付)(ORICON STYLE)

 2017年2月20日付の週間CDシングルランキングの1位はNEWS「EMMA」。加藤シゲアキ出演のドラマ『嫌われる勇気』(フジテレビ系)の主題歌だ。

 この曲を最初に聴いたときに「おっ!?」と思ったのは、NEWSが4人になって最初のシングル表題曲であり、いまやグループの代表曲の一つとなった「チャンカパーナ」との類似性だった。哀愁あるフレーズで耳をぐっと掴むイントロ。四つ打ちのディスコ・ビートに、オクターブを上下するベースライン。強力なフックを持つサビのメロディ。どことなく不思議で、かつセクシーな雰囲気。調べてみたら、やはり作詞作曲を手掛けたのはヒロイズムだった。「チャンカパーナ」や「フルスイング」、「ポコポンペコーリャ」や「恋を知らない君へ」などを手掛けた、NEWSにとってはとても大事なクリエイターの一人である。カップリングの「Snow Dance」も彼が作詞と作曲を手掛けている。

 この「EMMA」のポイントになっているのは、歌謡曲のテイストとEDMのビート、そしてカントリー&ウエスタンの音色の絶妙なマッチングだろう。それが大人の色気に結びついている。歌詞にも<衝動的な女にピストル握らせ 風の中で口笛拭いて 不意に抱きしめたんだ>というラインが並ぶ。

 当サイトのコラムでは、『ジャニーズと日本』の著者である矢野利裕氏が「ボトムがEDMでウワモノがカントリー&ウエスタン――これが『EMMA』という曲だ。なんと変わった音楽であることか」と書いている。筆者も同感だ。が、アヴィーチーの世界的な大ヒット曲「Wake Me Up」(2013年)をもう一つの補助線に引くと、カントリーとEDMの融合それ自体は珍しいことではない、とも言える。それでも「EMMA」がユニークなのは、やはりメロディと歌い回しに歌謡曲の色濃い匂いが漂っているからだ。

 細かい分析になるが、印象的なのは<♪EMMA EMMA EMMA><♪オマエは 悪い女>というサビの符割りだ。「EMMA EMMA」と「オマ・エは」が同じメロディになっている。ここが日本語の面白いところで、英語だったら「Get Up」とか「Wake Up」みたいな二つの単語が入る符割りなのに、日本語だったら「オマ」とか「エは」みたいに母音二つしか入らない。こういうメロディの符割りと母音の関係性、そこにおける日本語の特殊性みたいなものが「J-POPの日本らしさ」みたいなものの感覚的な背景にあるように思う。

 一方、カップリングの「Snow Dance」もアヴィーチー「Wake Me Up」以降のテイストを感じさせるEDMポップなのだが、こちらは清涼感あるシンセの音色とサビの情熱的なメロディが印象的。「EMMA」のような飛び道具感はないが、すごく力の入った曲だ。「チャンカパーナ」のカップリングに「フルスイング」が入った時もそうだったが、カップリングにクオリティの高い曲を入れるのがNEWSにおけるヒロイズムの流儀なのかもしれない。ちなみにこの曲のサビの符割りも「EMMA」のサビと対比させると興味深い。4つの音符に<♪Let’s do the snow dance>という一文を当てはめている。英語だから可能な節回しだ。

 ヒロイズムは1982年生まれ。NEWSだけでなくKis-My-Ft2や乃木坂46など数々のヒット曲を手掛けてきた職業作家だが、昨年からLAに移住し、日本だけでなくワールドワイドなマーケットに向けた楽曲制作を始めている。State of Mindという4人組のアーティストの楽曲「How did we get here」の作曲も手掛け、アメリカでのメジャーリリースも実現している。

State Of Mind「How did we get here」

      

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