NEWSがラジオとネットを面白くする? 12月20日放送『KちゃんNEWS』を聞いて

 先日、NEWSの小山慶一郎がパーソナリティーを務める『KちゃんNEWS』(文化放送)の記事を掲載した。内容は、12月6日放送回にゲスト出演した増田貴久が、自身のラジオ番組『増田貴久 MASTER HITS』(bayfm)も聞いてほしいと話していたことに、筆者が日ごろから感じていた“今のNEWSがとてもいい雰囲気である”ことを添えたものだ。その日の放送は、小山と増田の会話から「ネット記事になればいい」という流れになっていた。職業柄、その願いが叶えられるのではと考えて、記事にしたのだった。

 12月20日。この日も放送をチェックしていると、ラジオから聞き覚えのある文章が。そして、この日のゲストの加藤シゲアキが怒っている。「キレ味抜群のコメントをしつつも人見知り」だと紹介したことを「つつもってなんだよ」とツッコんでいる。見事なキレ芸……いやいや、楽しんでいる場合ではない。「誰だ、それ書いたやつ。RealしつつもSoundかい、われぇ」って、プププッ……いやいや、だから笑っている場合ではないのだ。

 ファンとアイドルをつなぐのが、筆者のミッション。アイドルたちの活躍を黒子のごとく伝えていくのが仕事だ。それなのに、リスナーのお便りを読み上げる時間を奪ってしまった。なんてことだ、と頭を抱えた。だが、ふとこれまで聞いてきたジャニーズのラジオ番組を振り返ると、パーソナリティ自らネット記事を取り上げる例は、あまりなかったように思えた。

 そもそも、ジャニーズ全体がWebに対しては慎重な姿勢であるという印象だ。それにも関わらず、率先して自分たちが取り上げられた記事についてトークを展開する『KちゃんNEWS』は、なんて自由なのだ。もともとラジオ番組には、ライブの魅力があった。その時間を共有している人だけが得られる情報があり、パーソナリティとリスナーの間で育まれる絆があった。しかし、ITの進化によって、ある意味クローズだった空間が広げられた。この仕事をしておきながら、“記事化なんて野暮なことをしなさんな”と1人のラジオ好きとして感じたこともある。

 だが、その進化を止めることはできない。ならば、もっとラジオとネット記事を、彼らの遊び場にしてしまえばいい。メディア特性を活かして、もっと面白いことができないか。文才も、度胸も、センスも、優しさもあるNEWSなら、やってのけてくれるのではないか。加藤にツッコまれた紹介文を反省しつつも、いちライターとして今後もNEWSを盛り上げていきたい。

(文=佐藤結衣)

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