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森朋之の「本日、フラゲ日!」vol.11

欅坂46は“いま、何を語るべきか”が重要であるーー8月10日発売の注目新譜5選

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 その週のリリース作品の中から、押さえておきたい新譜をご紹介する連載「本日、フラゲ日!」。8月10日リリースからは、欅坂46、E-girls、ユニコーン、クリープハイプ、Sugar’s Campaignをピックアップ。ライターの森朋之氏が、それぞれの特徴とともに、楽曲の聴きどころを解説します。(編集部)

欅坂46 『世界には愛しかない』(SG)

 今年4月にシングル『サイレントマジョリティー』でメジャーデビュー、楽曲のクオリティの高さと15歳のセンター・平手友梨奈の優れたビジュアルによって一瞬にしてアイドルシーンのトップランナーとなった欅坂46の2ndシングル。冒頭は「歩道橋を駆け上がると/夏の青い空がすぐそこにあった」というセリフ(語り手は平手)。セリフと歌が交互に繰り返しながら<誰に反対されても(心の向きは変えられない)/それが僕のアイデンティティ>という結論へとたどり着く構成はまるで高校の演劇部の作品を観ているようで、誤解を恐れずに言えば、サウンドやメロディ自体はその背景に過ぎない。この楽曲のプロダクションはおそらく“デビューしたばかりの欅坂46のメンバーはいま、何を語るべきか”を中心にデザインされているのだろう。音楽性やパフォーマンス以前に”誰がどんな言葉を発するのか”が重要。それこそがJ−POPのキモであることを、秋元康は知り抜いている。

欅坂46「世界には愛しかない」

E-girls『Pink Champagne』(SG)

 カラフル&ポップな前作「E.G.summer RIDER」に続く2カ月連続“夏シングル”の第2弾「Pink Champagne」は、クール&スタイリッシュなイメージを押し出したダンスチューン。テーマは“80年代と現代の融合”ということで、80sディスコと先鋭的なエレクトロを結合させたトラック、真夏のナイトシーンを舞台にした恋愛の駆け引きを描いたリリックが軸になっている。バブル時代を知っている世代から現在のクラブユーザーにまでアピールしつつ、良い意味で場末感を加えることによって、最終的には幅広い層が気軽に楽しめるポップスに仕上げているところはさすが。楽曲ごとにわかりやすいアピールポイントを作り、ダンスミュージックのトレンドをJ−POPを落とし込むことで支持を広げてきたE-girls。サウンド、パフォーマンス、ビジュアルを含め、そのプロダクションの精度はさらに上がっているようだ。

E-girls「Pink Champagne」

ユニコーン『ゅ 13-14』(AL)

 前作『イーガジャケジョロ』以来約2年5カ月ぶり、再結成以降5作目(通算13枚目)となるフルアルバム。今年7月にabedonが50歳となり、メンバー全員がめでたく50代に突入したユニコーンは、昨年、川西幸一(Dr)が脳梗塞に見舞われるなど(現在は完全復活! まさに鉄人)年相応の出来事を経験しつつも、本作でも“全員がやりたいことをやる”というスタンスをしっかりと追求、どこまでも自由で奔放なロックアルバムを生み出してみせた。アルバムの冒頭5曲のボーカリストがすべて違うことからもわかるように、5人の個性がさらに自在に発揮されているのだ。その姿勢を象徴しているのが“俺たちに明日はない もう時間が少ない”“やりまくるだけ”(「すばやくなりたい」/作詞・作曲:奥田民生)というフレーズ。シーンの動向や音楽業界の状況を気にすることなく、いまやりたいことに最短距離で近づいていく。リラックスと緊張がせめぎ合うような本作の雰囲気は、メンバー5人の純粋な表現欲求に根差しているのだと思う。考えてみると“時間がないから、やりたいことをやらなくてはいけない”というテーマは、年齢に関わらず、すべての人に共通しているのだけど。

ユニコーン 「すばやくなりたい」

      

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