15thシングル『裸足でSummer』リリースインタビュー
乃木坂46新センター齋藤飛鳥、自身の成長を控えめに語る 「挑戦したことすべてに興味が出てきた」
「全国ツアーは今のところ不安のほうが強くて」
──確かに過去のツアーでも白石さん(2013年)、西野さん(2014年)、生駒さん(2015年)がそれぞれ真ん中に立ってましたが、それぞれ雰囲気が異なりましたものね。そういう意味では、今年はまた違ったものになるのかなと。
齋藤:いやあ、今のところ不安のほうが強くて。どうなるのかな?っていう。
──そんなに不安?
齋藤:そりゃ不安ですよ!(笑)真ん中に立ってパフォーマンスするというのもありますし。とはいえ全編通して私メインというわけではないので、そこまで気負う必要も正直ないんですけど、でもファンの人からしたら「飛鳥がツアーで、真ん中で出てくる」というのはだいぶ大きい出来事だと思うので、そういう声を握手会で聞くと「どうしよう?」という気持ちは大きくなりますね。
──期待が大きいぶん、不安も増すと。それにアンダーライブでやってた頃とは規模も違いますし。
齋藤:あのときはすごいがむしゃらにやっていたし、あれがいいライブだっていう意識が自分の中にあって。でも後から映像で見返すと、自分自身まだまだだなとも思えたんです。それは私のパフォーマンスがそのとき自分がやってると思ってたものと全然違っていたので、そういうふうになるのが怖いんです。
──でもそれは日々成長しているというのもあるし、同時に目も肥えていくのも影響しているのでは? 8月21日には結成6年目に突入しますし、リアルサウンドでの今野さん(乃木坂46運営委員会委員長・今野義雄氏)のインタビュー(乃木坂46運営・今野義雄氏が語る、グループの“安定”と“課題” 「2016年は激動の年になる」)では、グループの変化について述べています。そういうタイミングだからこそ、気負いすぎずに自分らしくやることが新しさにつながるんじゃないのかなと思っているんです。
齋藤:なんか励まされちゃいましたね(笑)。
「みんなが歌えるような“乃木坂の代表曲”が欲しい」
──ここからはニューシングルについて聞いていきたいと思います。「裸足でSummer」を聴いたとき、最初はどう思いました? 今までの夏曲とはだいぶ雰囲気が異なりますが。
齋藤:曲を聴く前から、「今回の曲は“明るく元気”だから」って言われてたんです(笑)。そこで身構えちゃってたんですけど、初めて聴いたときは「夏らしい曲だな、明るい曲だな」とは思ったけど、ちょっと想像とは違っていて。「夏だから弾けよう!」みたいな歌詞だったら、自分が歌うにはちょっと大変だなと思ってたんですけど、実際はそうじゃなくて切なさが含まれた共感できる歌詞で。それがよかったのかなと思いました。
──音の質感が現代的で、音数が意外と多いのにシンプルという不思議な曲調なんですよね。しかも中毒性が強くて、何度も聴き返しているうちにどんどんクセになるという。
齋藤:うん、そのとおりですね。実はいろんな要素が詰まっていて、私も1回聴いただけじゃ魅力が全部伝わりきらないのかなっていう気がしてます。
──そこが過去の夏曲とは違うなと。「裸足でSummer」だけではなくカップリングの「僕だけの光」にも言えるんですが、今までの乃木坂46のカラーから少しずつ脱却しつつありますよね。
齋藤:そうですね。「裸足でSummer」も「僕だけの光」もメロディが、アイドルっぽさもあるけど今のJ-POPっぽくもあって。他のメンバーが「『僕だけの光』はマルキュー(SHIBUYA109)とかで流れてそうだね」って言ってたんですけど、確かにそうだなと私も思いました。
──マルキューで流れてそうというのはすごく腑に落ちますね。
齋藤:ですよね。最近はみんなで「“乃木坂の代表曲”が欲しいね。誰もが真似できて、みんなが歌えるような曲が欲しいね」ってずっと話していたんですけど、そのタイミングで今回のシングルができて。どちらも覚えやすい曲だし、特に「裸足でSummer」には「HEY!」とか合いの手を入れるパートもあるので一緒に盛り上がりやすいし、振り付けも簡単で真似しやすいと思うし、もしかしたら“乃木坂の代表曲”になれるんじゃないかなと個人的にも思ってます。
──「裸足でSummer」も「僕だけの光」も基本的に4つのコードをループさせて進行していく、クラブミュージック的な要素が強くて。実は「ハルジオンが咲く頃」もそういう作りで、そこは昨年までの乃木坂46のシングル曲とはちょっと違うなと。これまでのアイドルファンを意識した曲作りから、メンバーの皆さんと同年代の一般層にも響きやすい曲作りへとシフトチェンジしてきたというか。「裸足でSummer」がヒットすることでまた新しい“アイドルの王道”を作ることができるんじゃないかと思うんです。
齋藤:なるほど、そうなんですね。でも、もしそうなれたら本当に素敵ですよね。
「以前は心地の良い2列目って場所に甘えてた」
──「裸足でSummer」ですが、特にグッとくる、印象に残るフレーズってありましたか?
齋藤:私、2番の歌詞が好きで。サビもいいんですけど、特にサビに入る前の<今の距離感 心地いい 普通で楽なんだ>あたりは「本当そうだよな」って思うんです。昔はアンダーにいることのほうが多くて、そのときは「ファンの人に、もうちょっと上を目指す姿を見せられたらな」と思っていて。で、だんだん選抜に定着させてもらったり福神に選んでもらえたりするようになって、2列目にいたときに……こう言ったらあれですけど……頑張りすぎなくてもいいし、だからといって気を抜き過ぎてもいけないというのが、自分的にちょうどいいポジションだったんです。
──2列目って前にも後ろにも人がいるから、安心感もあるし。
齋藤:そうなんです。変なプレッシャーもなくてすごく心地よかったんです、2列目って場所が。その場所に甘えてたんでしょうね。でも今回1列目、しかもセンターという特別な場所に選ばれたことで、この歌詞を読んだときに当時の甘えていた自分の気持ちに気づかされたんです。
──そうだったんですね。そうやって自分の立場に置き換えて共感できると、曲に対する思いもより強くなりますしね。特に初めてのセンター曲だから、思いも人一倍強いでしょうし。よかったですね、そういう楽曲にめぐり会えて。
齋藤:本当によかったです。本当に、本当に。
──今の一言で齋藤さんの思いがより強く伝わってきました(笑)。ではライブパフォーマンスにおいて注目してほしいポイントは?
齋藤:「裸足でSummer」の振り付けは本当に楽しい感じで、技術がどうよりみんな一緒に踊れることに重きを置いているんです。そういう振り付けって見ていてカワイイんですよ、わかりやすいから。特にサビの振り付けは本当に簡単なので、ライブでは一緒に踊ってほしいですね。
──そういう振り付けって、今までの乃木坂にはありそうでなかったですもんね。
齋藤:そうなんです。「僕だけの光」も盛り上がる系なのでライブにぴったりなんじゃないかな。今からパフォーマンスするのが楽しみです。