嵐・大野、Kinki・剛、NEWS・手越……歌ウマジャニーズの“発声法”を分析

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(C)タナカケンイチ

 容姿、ダンス、演技、歌……様々なスキルをあますところなく発揮し、人気を得ているジャニーズの面々。これまでファンの多くは彼らの“音楽”はもちろんだが、総合的な“パフォーマンス”にこそ惹かれていたのではないか。しかし昨今では、歌唱力そのものを評価され、ソロの歌手として活躍するメンバーも少なくない。今回は「発声法」という視点から見て、「高い歌唱力を持っている」と言えるメンバーにスポットライトを当ててみたいと思う。

ソウルフルな歌声の嵐・大野智

 押しも押されもせぬ、国民的アイドルグループとなった嵐。そのメンバーである大野智は、「歌が上手いジャニーズ」として必ず名前が挙げられる存在だ。

 まず注目したいのが、息の吐き方。特にブレス前の部分が分かりやすいと思うが、丁寧に息を吐き切ってからブレスをし、次のフレーズを歌い出している。これはしっかりと腹式呼吸をしているからこそできること。言わば「息で歌っている」状態なのだ。「息で歌っている」状態の何が良いかと言うと、楽に声を出すことができる。その証拠に、大野のロングトーンは声が均一でブレておらず、長く一定の音を出すことができている。

 そうした基礎に、ビブラートやフェイクなどのテクニックを乗せ、大野らしさをトッピングしている。アイドルらしからぬソウルフルな歌声は、音楽業界の中でも評判が高い。

練習量を感じさせるKinKi Kids・堂本剛

 ジャニーズにおいて、グループでデビューした後にソロデビューを果たした先駆け的存在と言える、KinKi Kids・堂本剛。これまでに11枚のCDシングルを発売しており、あのMichael Jacksonからも「歌が上手い」と評されたこともあるほどだ。

 そんな彼の特徴は、何と言ってもビブラート。ビブラートの出し方は2通りある。1つは、音程に高低をつけて出す方法。これは喉の筋肉を使って音程を一定に揺ら方法である。2つ目は、音量を震わせて出す方法。横隔膜を使い、ゆったりとしたビブラートをかけることができる方法だ。

 ビブラートがかかる部分で声量が大きくなる堂本剛の歌い方を聴くと、おそらく横隔膜を使う方法でビブラートをかけていると思われる。しかし、横隔膜を使うビブラートは自然なビブラートを作りやすい一方で、習得までに時間がかかる。つまり、彼は相当な練習量をこなしているのではないだろうか。

 その練習量と堂本独特の感性が相俟って、あの歌唱力が生まれたと言っていいだろう。

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