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栗本斉の「温故知新 聴き倒しの旅」

Sing Like Talkingが30年貫いた独自の姿勢 ジャンルに縛られないサウンドを改めて聴く

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Sing Like Talking
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20150307-slt.jpgSING LIKE『TALKING Anthology』(Universal Music)

 〈Sing Like Talking〉――知ってる人は知っているし、知らない人はまったく知らない。個人的にですが、きっとそんな立ち位置のグループなのではないかな、と思います。30年のキャリアを誇るベテランであり、大ホールでツアーができるほどの集客力を持っている実力派。コブクロやSEAMO、柴田淳なども彼らからの影響を公言するほど、今のミュージシャンへの影響力も多大です。しかし、誰もが歌えるような大ヒット曲もないということもあり、知らないという人に彼らの魅力を伝えるのは非常に難しいのです。バンドのようでバンドではないし、音楽性も驚くほど幅広いし、他に似ているアーティストがいるわけでもない。おまけにグループ名も一風変わっているので、少し覚えにくい。表層的に紹介するのは簡単ですが、きっちりと彼らのことを分析して、伝えたい人に言葉だけで伝えるというのは困難を極めます。

 Sing Like Talkingは1985年に結成し、1988年にデビューを果たしました。メンバーは、ボーカルの佐藤竹善、キーボードの藤田千章、ギターの西村智彦という男性3人組。主に佐藤竹善が作曲し、藤田千章が歌詞を書くというスタイルで、オリジナル・ナンバーで作り続けています。彼らのキャリアは山あり谷あり。デビュー時には、ジェフ・ポーカロ(TOTO)やネイザン・イーストといった海外の超一流ミュージシャンをサポートに配して大々的にデビュー・ライブを行いましたが、レコードの売れ行きは芳しくなく低迷期が続きます。しかし、ライブやラジオなどで徐々に人気が高まっていき、1993年に発表した6枚目のオリジナル・アルバム『ENCOUNTER』で、ついにオリコンチャートの1位を獲得。5年目にしてブレイクなんて、ヒットを急かしすぎている今時の音楽業界ではあり得ないことでしょう。でも、彼らはブレイクするまでにしっかりとスタッフやファンに支えられ、スローな上昇カーブを描きながら成功の座を射止めるのです。その後は、各メンバーのソロ活動のために休止することもありましたが、今も新たな楽曲制作やコンサートツアーで、精力的に活動を続けています。

SING LIKE TALKING オールタイムセレクションアルバム『Anthology』2015年2/11発売

 先日、そんなSing Like Talkingの歴史を俯瞰できるアルバム『Anthology』がリリースされました。これはいわゆるオールタイム・ベストとでもいうべき編集盤です。いや、ベストというのは正確ではありませんね。“オールタイム・セレクション・アルバム”と銘打たれているように、彼らの長い歴史の中から選曲された企画作で、なんとCD5枚組に76曲も収められているのです。最初手にしたときは「なんじゃこりゃ?」と思ってしまいましたが、よくよく考えてみると彼らの音楽をきちんと理解するには、これくらいのボリュームが必要だという証明でもあるのです。

      

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