「PlayStation Partner Awards 2025 Japan Asia」レポート 31年の祭典が示す変化と挑戦――大作IPと次世代クリエイターの共存時代

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は12月3日、「PlayStation Partner Awards 2025 Japan Asia」(以下、PlayStation Partner Awards)を開催した。
本イベントは、ここ1年間で高い注目を浴びたPlayStationフォーマット向けタイトルに賞を贈呈するPlayStationの祭典だ。初代のPlayStation誕生の翌年から「PlayStation Awards」として始まり、今年で通算31回目の開催となる。
2025年度のPlayStation Partner Awardsでは、GRAND AWARD(グランドアワード)、PARTNER AWARD(パートナーアワード)、USERS’ CHOICE AWARD(ユーザーズチョイスアワード)といった恒例の主要部門に加え、プレイヤーに寄り添ったアクセシビリティ機能で好評を得たタイトルを表彰するACCESSIBILITY AWARD(アクセシビリティアワード)、多様性に富んだタイトルを称えるPLAYSTATION INDIES AWARD(プレイステーションインディーズアワード)が選出された。
PlayStation Partner Awardsの目玉となるGRAND AWARDでは、日本・アジア地域で開発されたソフトウェアメーカー各社のタイトルにおいて、2024年10月から2025年9月の全世界売上上位にランクインし、特に注目すべき活動成果を残した作品が選出される。

2025年度のGRAND AWARDでは、『モンスターハンターワイルズ』『ドラゴンボール Sparking! ZERO』『マーベル・ライバルズ』『eFootball』『ゼンレスゾーンゼロ』の5タイトルが表彰され、各メーカーの開発者が受賞に際して声明を掲げた(『ゼンレスゾーンゼロ』のmiHoYoは取材を辞退)。

『モンスターハンターワイルズ』ディレクター徳田雄也氏は、ユーザーへの感謝とともに、発売直後のコンテンツ量や遊びにくさの課題を正直に語った。その上で、「ユーザーの皆さんからいただいたご意見を力に変え、アップデートに全力で取り組んできた結果が今回の受賞に繋がった」と表明した。同作品のプロデューサー辻本良三氏は、グローバルでのフィードバック強化や、来年2月の「モンスターハンターフェスタ」などリアルイベントの重要性を強調。「モンハンはここで立ち止まるつもりはない」と述べ、全世界のプレイヤーと共にIPをさらに発展させる熱意を伝えた。

『ドラゴンボール Sparking! ZERO』のプロデューサーを務めた古谷純氏とマーケティングリードの飯島雄也氏は、両名ともに長期間にわたり熱量を保つファンの応援に深く感謝を述べた。続けて古谷氏は、17年ぶりのシリーズ新作について、「今だからこそ新しい感動を届けられるという判断が決め手となり、ファンの声がそれを後押しした」とコメント。加えて、本作の人気の要因は「超戦士になりきる」ことに焦点を当てたバトルシステムにあると分析。「ギャリック砲にはかめはめ波で返す」といったドラゴンボールの流儀を追求した点が、ファンに深く愛される理由だとした。

『eFootball』統括プロデューサー田谷純一氏は、『ウイニングイレブン』(以下、ウイイレ)時代から作品を支える長年のユーザーに感謝し、「もっと面白くしてほしいという皆さんの期待に応える」と決意表明。受賞の背景について、「世界中のユーザーに継続的に遊んでもらうべく、さまざまな施策に注力した」と語った。また、『ウイイレ』からの大胆なリブランディングを振り返り、「サッカーゲームのこれから」を最優先した結果であると説明。過去の成功に甘えず、厳しい意見にも真摯に向き合う姿勢がシリーズを支えると強調した。

『マーベル・ライバルズ』からは、テクニカルディレクターFeng Fan氏とマーケティングリードYachen Bian氏が出席。正式リリースから1年を迎えた同作品に対し、両名は「ユーザーの皆さんへ今後も楽しい体験を提供したい。開発においてもマーベルと連携し、IPへのリスペクトを欠かさずに共同でサービス運営に徹する」と強調した。続けて、PvEモードや交流を重視する非戦闘マップ「タイムズスクエア」の実装など、「シューター経験者だけでなく、誰もが楽しめる環境の整備に注力する」と現状の方向性を示した。

本年度にて新設されたACCESSIBILITY AWARDでは、『龍が如く8外伝 Pirates in Hawaii』と『モンスターハンターワイルズ』が受賞。独立系ゲーム開発者の功績を称賛するPLAYSTATION INDIES AWARDは、『都市伝説解体センター』『Ender Magnolia: Bloom in the Mist』『九日ナインソール』の3作品が表彰された。
式典の最後は、SIEのCEOを務める西野秀明氏が登壇。西野氏は、PlayStation Partner Awardsがゲーム会社間の交流を促進し、「ゲーム業界のコミュニティを強くする」場であると強調。全世界で日本とアジアのコンテンツ需要が高まる中、両地域のパートナーは「プレイステーションにとって不可欠な存在」であると断言した。そして、パートナー各社の信頼と革新的な体験を生み出すコミットメントを評価し、今後も彼らの素晴らしいコンテンツを世界に届けるサポートを継続することを約束した。






















