ダイソンなのにサイクロンなし? 直径38mmで滑るように動くスリム掃除機の仕組みとは

ダイソン新コードレススティック掃除機

 ダイソンは同社製の掃除機で初めてサイクロン式を採用しない掃除機となる新コードレススティック掃除『Dyson PencilVac Fluffycones SV50 FC』を発表した。そもそも、PencilVac(ペンシルバック)という名前はPencilとVacuumを足した言葉でその名の通り、鉛筆のようなスティック状のボディを採用しているのが特徴。直径約38mmのボディには、新開発モーターとバッテリー、ゴミを集じんするクリアビンを搭載する。この直径はダイソン製へアドライヤーのグリップ部などと同じ太さとなっている。これは極限までスリムな掃除機を作ろうとしたことが始まりだという。

モーター部や集塵部に膨らみが全くないストレートなフォルム。

 これを実現したのが直径わずか28mmの「Hyperdymium 140kモーター」だ。ダイソン最高速の毎分14万回転を実現しており、スリムボディでもしっかりとゴミの吸引ができる。吸引したゴミは、そのままクリアビンの中にたまり、簡単にスライドする「Dyson 二段階リニアダストセパレーションシステム」により、ゴミ捨てができる構造だ。

新開発モーターが強力にゴミを吸引して圧縮する仕組み。

 ゴミ捨て時は、ヘッドを取り外し、クリアビンの先をダストボックスの中に差し込んでスライドすることで、ゴミが舞い散らない仕組み。0.3μmの微細な粒子を99.99%閉じ込めて、圧縮した状態でゴミ捨てができる。

クリアビンをスライドすることでゴミが捨てられる仕組み。

 そしてヘッドには2つの向かい合ったブラシバーが配置された、「Fluffycones クリーナーヘッド」を採用。それぞれ円錐状のブラシが左右に配置されており、巻き付いた髪の毛などは回転しながら細い外側に移動して、排出される仕組み。あとはまとまった髪の毛を吸い取るだけでいい。

 向かい合ったブラシがそれぞれ内側に向かって回転するため、ヘッドは浮遊したように、軽快に掃除ができる。さらに、ヘッドには前後に緑色のLEDを搭載しており、床に落ちている微細な汚れを確認しながら掃除できるのだ。

 発表会のあとには実際に『Dyson PencilVac Fluffycones SV50 FC』で掃除ができる体験会や開発中のプロトタイプの展示などが行われた。

開発時に作られたプロトタイプの数々。プロトタイプ2まではブラシローラーはまっすぐだったが、3から円すい型になっている。

 実際に『Dyson PencilVac Fluffycones SV50 FC』を使って掃除してみた。電源を売れるとヘッドが浮かんだように軽くなり、スイスイと掃除できるようになる。ヘッドの両側にLEDが付いているので、前後などはなく、ヘッドを軽快に往復させながら掃除できた。

電源を入れるとふわっと浮かぶ感覚。力を入れなくても前後左右に滑るように動く。

 さらに面白いのが、円すい型のブラシローラーを真ん中で支えているため、両サイドが少し外に飛び出していること。このため壁際に密着させて掃除できるのだ。ブラシローラーを左右で挟んで固定している一般的なヘッドよりもしっかり掃除できる。

ブラシローラーがわずかながらヘッドのそとに出ているのがわかる。

 本体質量は約1.8kgと、コードレススティック掃除機では一般的な重さではあるが、実使用時はその重さをほとんど感じなかった。電源を入れずに階段などを運ぶときに重さを感じそうだ。

 付属のアタッチメントはブラシ付き隙間ノズルと、毛がらみ防止スクリューツールの2つ。ヘッドをこれらに差し替えることで狭い場所や高い位置、ソファの上などの掃除ができる。

ブラシ付き隙間ノズルを取り付けたところ。ブラシ部は前後に可動する仕組み。
さらにコードレススティック掃除機では初めてスマホアプリにも対応。Bluetoothで接続でき、メンテナンス時期の確認などができる。

 ダイソンでは2021年に全方向に駆動する掃除機として『Dyson Omni-glide』を発売している。『Dyson PencilVac Fluffycones SV50 FC』はそれに続く、浮遊感のある掃除機というわけだ。

 ダブルローラーを採用した浮遊感のある掃除機は、フローリングをメインとして使うことになる。カーペットなどではどうしても浮遊感がなくなるため、軽快な掃除感覚はなくなる点に注意したい。このモデルの場合、カーペットなどでは毛がらみ防止スクリューツールを使って掃除することになる。

 『Dyson PencilVac Fluffycones SV50 FC』の実勢価格は8万4900円。直販サイトでは予備バッテリーとバッテリー充電ホルダーが付属する。本体サイズは高さ38×奥行き1160×幅226mm。最大運転時間は30分で集じん容積は0.08Lだ。

 なお、PencilVacシリーズにはスリムスティック形状の本体にMicroFluffy クリーナーヘッドを採用した『Dyson PencilVac Fluffy』もラインナップ。実勢価格は5万9840円で、本体質量は1.38kgと軽い。

 ダイソン史上で初めてとなるサイクロン方式を採用しない掃除機。そのスマートなフォルムと、スライドするだけでゴミ捨てができるスタイルは新しい提案として非常に面白い製品だといえる。

◼︎参考URL
・『Dyson PencilVac Fluffycones (SV50 FC)』:https://www.dyson.co.jp/vacuum-cleaners/powerbroom/pencilvac/fluffycones
・『Dyson PencilVac Fluffy™ (SV50 FF)』:https://www.dyson.co.jp/vacuum-cleaners/powerbroom/pencilvac/fluffy

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