コンビニプリントの市場規模、なぜ飛躍的に向上? UUUM×BITが若年層向けに取り組む“新たなコンテンツのかたち”とは

コンビニプリントの市場規模、なぜ向上?

コンビニプリントは決済手段を持たない未成年層の開拓に寄与

ーー先ほどの声優さんのブロマイドの事例もそうですが、コンビニプリントがクリエイターとファンの「共犯関係」を生み出すツールになっていると思いました。

英山:一般的にYouTubeクリエイターの収益モデルは、動画再生回数に応じた広告収入です。しかし、クリエイターの視点から見ると、アドセンスのような広告収益に依存せずに別のかたちで収益化の手段があると、もっと自由なチャレンジができるんですよ。

 広告収益だけを追求すれば、動画の本数を増やしたり、個々の再生回数を伸ばしたりすることに注力しがちですが、別の収益手段があれば、新しいタイプのコンテンツやチャンネル作りに挑戦できるようになるわけです。ある種、従来の"再生数を稼ぐための動画づくり"とは異なる活動スタイルが実現できるという点で、eプリントはとても意義のある選択肢だと感じています。

長谷川:もっともマーケットの可能性を感じたのは、ECサイトで商品を購入できない10代前後の未成年層を開拓できたことでした。決済手段を持たない世代だからこそ、コンビニプリントを通じて商品を購入できる仕組みを実現したことで、いままでにない新しい購買の導線を作ることができたと思っています。当社はファミリー層をターゲットにした商品も展開していますが、これまで親の決済が必要となる点がマネタイズの大きなハードルでした。

 しかし、今回のeプリントサービスであれば、子どもたちが欲しいと思った時に、もっとも手軽な方法で商品を手に入れられるため、私たちにとっても非常に大きなメリットになっています。この仕組みは、クリエイターが子どもたちにより好きになってもらおうと努力する動機となり、子どもたちも望む商品を手に入れられるというリターンがあります。そして、私たちも収益に繋がるため、まさにクリエイター、ファン、企業がそれぞれ利益を得られる「三方よし」のビジネスモデルだと考えています。

英山:コンビニであれば、親も子どもを気軽に連れて行くことができますし、クリエイター側にとっても非常に重要なポイントなんですよ。従来の限られた販売場所や数量では、全国のファンに商品を行き届かせることは困難でした。たとえば、全国に10店舗しか展開しないとなると、どれだけ熱心なファンでも、物理的にアクセスできないケースが出てきます。

 それがeプリントであれば、全国各地のコンビニで展開できるので、その制約を根本から取り払うことができる。ファンにとっても、身近なコンビニで好きな作品とつながれる仕組みというのは非常にありがたいものですし、クリエイターにとっても、より多くの人と接点を持つ手段としてeプリントは活用できるわけです。

長谷川:シンプルに言えば、「新しい収益源が生まれたこと」を喜んでいるクリエイターが多かったのは、この取り組みの大きな成果のひとつだと思います。特にライブ連動の企画などでは、ファンの喜びの声がSNSで自然と広がっていくのを実感できますし、通常のグッズよりもeプリントの商品は200〜300円と手頃な価格なので、初めての人が気軽に買える“入り口”としてもちょうどいいんですよね。

eプリントが“インフラの一部”として認知される状態を目指す

ーー今後2社でやっていきたいことはありますか?

長谷川:先ほど少し触れましたが、現在ご一緒させていただいているプラットフォーム開発を通じて、今後さらに新たなクリエイターの方々がこの仕組みに参加してくると考えています。そこに私たちもぜひ関わっていきたいと思っていますし、それが結果として、2社間の業務提携を強固なものにしていくと感じています。

 開発は弊社が主に担当しているので、まずは問題なくリリースまでやり切ることが最優先です。もちろん課題は多々ありますが、そこを乗り越えて形にすることが大きな責任だと思っています。

英山:現時点ではeプリントにもいくつか課題はありますが、それ以外にも複合的な新しい展開について、すでにアイデアベースでの議論は始まっています。今後はそれらの実現に取り組んでいき、最終的には10代の子どもたちがeプリントを当たり前のように知っていて、誰もが日常的に利用するようになる状態を目指したいと考えています。

 eプリントが完全に周知され、“インフラの一部”として現場レベルでも浸透している世界観が理想ですし、ファンにとって身近なコンビニという日常的にアクセスできる場を活かし、より多くの人に喜んでもらえるバリエーションや企画を増やしていきたいですね。

 これからもクリエイターの活動やコンテンツと連携しながら、さらに多くの可能性を追求していきたいと思っています。

eプリントに関するお問い合わせはこちら
https://forms.gle/MgvWQwszAGm8igR76

マクドナルド社員から東海オンエアのバディへ 多様なバックボーンを持つスタッフが活躍するUUUMの企業文化とは?

UUUMでは多様なバックボーンを持った人材が働いている。飲食や教育業界を経てUUUMに入社し、人事から広報、営業までさまざまな職…

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