6000円台でこの完成度はコスパ良 “初イヤーカフ”にもピッタリな『Baseus Bass BC1』レビュー

「イヤーカフ型って、音質とかは犠牲にした、結局は“なんちゃって”イヤホンでしょ?」──そんな先入観を、軽々と飛び越えてきたのが今回試した『Baseus Bass BC1』だ。
「Baseus(ベースアス)」は、欧米やアジアを中心に広く展開するモバイルアクセサリーブランドで、完全ワイヤレスイヤホン市場においては、世界シェア2.5%超という実績を持つ、2011年の創業のメーカーだ。そんなBaseusが日本市場向けに展開したのが、イヤーカフ型ワイヤレスイヤホン『Baseus Bass BC1』で、Amazonでの販売価格は6,580円と比較的手に取りやすい価格帯なのも嬉しいポイント。
今回は、同じくイヤーカフ型の兄弟モデル『Baseus Bass MC1』にも触れながら、『BC1』を2週間じっくり使って見えてきたポイントや、日常でどう活躍したかを紹介していきたい。
食わず嫌いだったイヤーカフ型、使ってみたらもう戻れない

まず気になるのは、やはりその“つけ心地”だろう。最近は街中でもイヤーカフ型イヤホンを見かける機会が増えてきたものの、自分としてはどこか「食わず嫌い」なところがあり、慣れ親しんだオープン型イヤホンばかりを使っていた。


だが、はじめてのイヤーカフ型イヤホン、そしてこの『BC1』には正直驚かされた。
3カーブ構造を採用した独自設計によって、耳に自然とフィット。装着してみると、まるで耳を優しく包み込むように馴染み、長時間つけていてもほとんどストレスを感じない。見た目もまさにアクセサリーという感じで、男性がつけていても違和感は少なく、むしろ「なんかオシャレ!」といった印象すらある。

ブリッジ部分には肌にやさしいTPU素材を使用。柔軟なC型リングデザインに加え、形状記憶合金を内蔵することで、耳のサイズや形にかかわらず、しっかりとフィットしてくれる。そして、重さはわずか約5.3g。軽さに加えて、耳への圧を分散するように工夫されたデザインも効いているのだろうか、「これ、本当に耳についてる?」と思うほどの一体感を感じる。

自分は仕事中や作業中、ラジオやポッドキャスト、Lo-FiなどをBGM代わりに一日中流していることが多いのだが、『BC1』を使っていて驚いたのは、“とにかく疲れにくい”ということ。
少なくとも3時間以上つけっぱなしにしていても、耳が痛くなる気配がない。むしろ「なんか音が流れてる……あっ、そういえば、いまもイヤホン付けてるんだった」と思い出すくらい、良い意味で存在感がない。
これは、耳穴を塞がないというイヤーカフ型ならではの構造も大きい。長時間カナル型を使っていると、だんだん耳の奥がムズムズしたり、こもった感じに悩まされがちだが、『BC1』にはそういった不快感がまったくなかった。

加えて、周りの音が聞こえやすいというのも大きなポイント。先述の通り、近頃は何かしながら音楽、ラジオなどを聴くシーンは日常で非常に多い。そんな中で、このイヤホンは構造上そもそも耳を塞いでいないので、周りの音がかなり聞きやすい。
街をぶらぶら歩きながら使ってみると、遠くを電車が走っていく音や、マダムたちのおしゃべり、木の葉が風で揺れてこすれる些細な音までちゃんと耳に届く。だから「音楽に夢中になってたら、いきなり後ろから自転車が来てビックリ!」なんて場面もぐっと減りそうだ。
正直、イヤーカフ型がここまで“実用的で快適”だとは思っていなかった。使ってみて、これがいま静かに人気を集めている理由にも納得した。
ライブ感、低音、ボーカル…これは“ちゃんと聴ける”タイプのイヤホン

そして、肝心の“音”の話をしよう。
価格帯とイヤーカフ型であることを考えて、「まぁ、外の音が聞こえるのは良いけどさ。言っても音質は犠牲にしないとなんでしょ?」と思っていた自分の予想もまた良い意味であっさり裏切ってきた。
『BC1』は、12mmの大型ドライバーとAIによる独自の低音チューニング機能を搭載。試しに、少し音量を上げて、適当なプレイリストを流しながら耳をすませてみた。すると「あれ、これ本当にイヤーカフ型だよね……?」と、ちょっと戸惑うほどの音のしっかり感。低音の輪郭がきちんと出ていて、曖昧さがない。

「これはもう、アレを聴くしかないな」と思い、Oasisの「Wonderwall」を再生。すると、低音がしっかりと沈み、ビートが輪郭をもって伝わってくる。かといって、ただの“ドンドン重低音”ではなく、中高域もスッと抜けてくるので、ボーカルの繊細なニュアンスまでちゃんと届く。まるで耳元にライブハウスのスピーカーがあるかのような臨場感があった。
とにかく“音の厚み”が気持ちいい。EDMやヒップホップ、R&Bあたりとも相性が良さそうだ。
構造上、音量を上げすぎるとどうしても音漏れしやすい点は気をつけたいところ。ただ、イヤーカフ型という開放的なスタイルながら、音質に妥協がないのは嬉しい。しっかり“聴ける”イヤホンとして満足感は高かった。
通話も防水もバッテリーも。『BC1』は“ちょうどいい”を全部押さえてくる

オンライン化が進んだいま、イヤホンには“聴く”だけでなく、“話す”ための機能も求められる時代。とくにマイク性能の良し悪しは、日常の快適さに直結する。
その点、『BC1』はAIノイズ低減機能を搭載した4つのマイクを内蔵。Bluetooth 6.0による接続の安定性と低遅延も備えており、通話・オンライン会議・ボイスチャットといった“話す”シーンでもしっかりと力を発揮してくれる。音質だけでなく、アウトプットのしやすさまでちゃんと配慮された設計だ。
実際にミーティングで使ってみたところ、相手からは「かなり自然だった」との感想が。自分で録音音声を確認してみても、有線イヤホンの音質を100とするなら70〜80点くらいの印象。
これなら、無線イヤホンあるあるのノイズ混じりな「音質悪くて聞きにくいなぁ……」と相手を苛立たせる心配はほぼなさそうだった。一昔前の“無線イヤホンでマイクは妥協”という常識は、確実に一歩超えてきていると感じる。

そのほかにも、日常使いにうれしい機能がしっかり備わっているのがポイント。たとえば、防塵防水性能はIP55に対応しており、ほこりや水しぶき、汗にも強い。ちょっとした雨の日や通勤時の使用、アウトドアシーンでも安心だ。
さらに、再生時間も優秀で、ケースと併用すれば最大38時間のロングバッテリーを実現。加えて、15分の急速充電で約2時間の再生が可能というのも、いざというときに助かるポイント。
特別派手な機能はないが、「これがあると助かるよね」というベーシックな使いやすさを、ちゃんと拾い上げていて、価格以上の満足度を感じる一台だ。
こっちもアリ。『MC1』というもうひとつの魅力


同シリーズの「MC1」も、比較を兼ねて使用してみた。
もちろん装着感には個人差があるとはいえ、体感としては『BC1』よりも『MC1』のほうが、より耳にフィットする印象を受けた。より軽快なつけ心地を重視する人にとっては、もしかすると、こちらの方が好みに合うかもしれない。

スペック面でも、本体単体で最大9時間、ケース併用で最大40時間の再生に対応しており、日常使いには十分すぎるバッテリー性能。また、防塵防水性能もIP57に対応し、『BC1』よりワンランク上のタフさを備えている。価格は7,880円とやや上がるものの、それに見合う完成度の高さを感じさせてくれるモデルだ。
とはいえ、どちらを選んでも満足度は高く、用途や装着感の好みによって選べば間違いはないと思う。
音質・快適さ・コスパが揃った、日常に最適なパートナー

イヤーカフ型イヤホンが選択肢として広がってきたいま、はじめての一台としてBaseusを選ぶのは、なかなか賢い選択かもしれない。しっかり聴けて、長く使えて、それでいて価格も手頃。
現在、Amazon販売ページでは15%OFFクーポンが配布中。さらに、Real Sound Tech専用クーポンコード「3WT87YKR」を併用すれば、さらに5%OFFの割引が適応され、実質最大20%OFFで購入できる。6000円台でも十分安く感じるイヤホンが、さらにお得に購入できるというのは、コスパ面でも文句なしだ。
“初めてのイヤーカフ型”を試してみたい人にとって、必要なちょうど良さがちゃんと詰まった一台だと思う。
























