“軽さ”が武器になる。2.9kgのマグネシウムスーツケース『Magne Suitcase』が誕生

マグネシウム製スーツケース『Magne Suitcase』

 アンカー・ジャパンCEOの猿渡歩氏が代表をつとめる旅行ジャパン株式会社から、新ブランド「Magne(マグネ)」から第1弾として、世界初となる全面マグネシウム製スーツケース『Magne Suitcase』が発表された。

 最大の特徴は、金属製でありながら重量がわずか2.9kgという点だ。これは金属製スーツケースとしては世界最軽量クラスにあたり、従来トレードオフとされてきた「軽さ」と「耐久性」を、STG社の高精度な素材加工と設計によって両立させたという。

 実際に持ち上げてみると、これまで使っていたスーツケースと比べても「おっ、軽いな」とすぐにわかるほどの軽量さ。長距離の移動や階段の上り下りなどでも、負担がぐっと軽減されそうだ。

 本体が軽いぶん、機内持ち込み時の重量制限にも余裕が生まれるので、そうした点でも実用的なメリットはあるように感じた。

 外装には上質なシルバーカラーを採用し、ミニマルで洗練された佇まいと上質な印象が特徴だ。実際に触ってみると、「薄い金属板そのもの」と言いたくなるほどの薄さで、思わず「これで本当に大丈夫なのか…?」と耐久性に一抹の不安を覚えるほどだ。

 また一部は、全面マグネシウム製との触れ込みだが、持ち手やキャスター、継ぎ目などにはプラスチックやアルミのような素材も確認でき、全体的にフルメタルというよりは“外装のメイン部分にマグネシウムをあしらったモデル”という印象が残った。

 特に注目したいのがキャスター部分。旅行時には最も負担がかかりやすく、壊れやすいパーツのひとつだが、『Magne Suitcase』ではホイールにエラストマーという高級素材を採用。柔軟性と耐久性に優れたこの素材は、空港やホテルの静かなフロアでもほとんど音を立てず、滑らかに移動できるのが特徴。さらに、振動を吸収する特性を持っており、移動中の衝撃を軽減して荷物を守ってくれるという。

 一方で、実際に展示品を見た際には、外から確認できる一部のパーツにプラスチックのような素材も見受けられ、もし壊れた場合、自分でキャスターを交換するのは難しそうな構造にも見えた。実際に使用したわけではないのであくまで印象ベースではあるが、耐久性の面ではやや気になる部分も残った。

 内部はシンプルな片開き仕様を採用。余計な仕切りやパーツを設けないことで、自由度の高い収納とミニマルな空間を実現しており、その分だけ軽量化にも貢献している。別売りの専用ボストンバッグや収納ポーチと組み合わせることで、荷造りから移動までのすべてをスマートにこなせる設計に仕上がっている。

 片手でも持てる約2.9kgという軽さや、ミニマルかつ上品なデザインには魅力を感じた。ただし、実際に触れてみると、外装の薄さや収納性、キャスターまわりの作りなど、実用性の面ではやや不安が残るのも正直なところ。画像で見た印象と、実物の質感や構造とのギャップもあった。もちろん、素材にコストがかかっているのは理解できるが、価格と機能性/実用性が両立しているかといえば微妙な印象だ。

 新しいモノ好きなら気に入る要素も多いかもしれないが、コスパや実用性を重視する層にはやや薦めにくい部分もある。それでも、こうした尖ったプロダクトは市場にとって大事な存在だと思うので、今後のアップデートや展開には引き続き期待したい。

 応援購入サービス「Makuake」では、2025年7月1日より先行販売を開始。数量限定・先着順で、一般販売価格より実質30%オフで購入可能だ。

◼︎製品仕様
・サイズ:高さ55cm、横幅40cm、奥行き21cm
・カラー:シルバー
・重量:2.9kg
・容量:33L
・予定販売価格:9万9800円(税込)
・発売開始予定日:2025年7月1日

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