1枚の自撮りが喋り出す……まるで魔法のような動画作成ツールを試してみた
スマートフォンで撮って、アプリで、あるいはPCに取り込んでそれを編集する。こうした動画撮影や編集は、一昔前の時代とくらべれば大幅に手軽になった。
とはいえ、そのハードルは決して低くはない。基礎的な知識も必要だし、何より動画を撮る時間や編集をする時間を捻出しなくてはならない。動画を使ったプレゼンテーションとなれば、そのハードルはさらに高くなる。
しかし、世の中にはそんなハードルを軽々と越えさせてくれるサービスが登場している。それが『Vidnoz AI』だ。ストーリーズやリールと言った個人的な動画投稿から、本格的なビジネスでのプレゼンテーションまで幅広い動画プレゼンテーションを生成することができる、ブラウザベースのAIツールだ。
本当にそんなにカンタンに動画が作れるのだろうか? さっそく、実際にサービスを使ってプレゼンテーション動画を作ってみよう。
■簡単に動画が作れる!『Vidnoz AI』とは?
まずは前段として、『Vidnoz AI』がなんなのか、どんなことができるのかを詳しく解説していこう。AI搭載の動画作成ツール『Vidnoz AI』は、動画制作の敷居を大幅に下げる画期的なツールだ。
本ツールにはビジネス、ソーシャルメディア、エンターテインメントなど、幅広いシチュエーションに対応する2800以上の動画テンプレートや1200以上のリアルなアバター、1240以上のAI音声数百種類のシナリオが用意されている。これらのリソースを活用することで、ユーザーは思い通りの動画を手軽に作成することができる。
冒頭でも述べたように、動画の制作にはかなりの労力がかかる。「動画制作の技術的障壁」や「時間的制約」「コスト」といった課題を解決してくれて、AIを利用して誰もが簡単に魅力的な動画を作れる環境を提供しているのが『Vidnoz AI』というわけだ。
では、このサービスが向いているのは、どんな人なのか?
たとえば、プレゼンテーションを動画形式で行いたいビジネスマンなら、従来の静的なスライドショーから一歩進んだ、魅力的で記憶に残るプレゼンテーションを簡単に作成することができる。社員教育や顧客向けのオンライン講座・教習動画を作りたいときも、専門的なスキルなしで、効率的に制作できる。さらに、会社紹介動画や商品紹介動画を自社で作成したいときも、外部委託による高額な費用を避けつつ、質の高い動画を制作可能に。こうした多様な企業ニーズに答えているのだ。
(関連記事:AIでプレゼン動画を作成する【パワポスキル不要】)
また、昨今は従来のテキストメディアにくわえて、動画での情報発信も一般的になっている。「動画での情報発信を行いたいが、そこまで手が回っていない」という個人クリエイターにもぴったりだ。ブログやSNSでの発信の際に、手軽に高品質な動画コンテンツを作成できる。このように、『Vidnoz AI』は様々なニーズに応えることができるツールなのだ。
「Vidnoz AI」のメリット
それではここで一度、『Vidnoz AI』のメリットを整理してみよう。いかに簡単に使えるようになっているか実感してもらえるのではないだろうか。
1. 動画編集スキルは不要
『Vidnoz AI』最大の強みは、専門的な動画編集スキルを身に着けていなくても高品質な動画を作成できる点。直感的なインターフェースと豊富なテンプレートで、初心者でも簡単に洗練された動画を制作できる。複雑な編集ソフトウェアの習得に時間を費やす必要がないので、いますぐにでも動画を作ることができるのだ。
2. 個人でも手軽に作ることが可能
大規模な制作チームや高価な機材がなくても、個人ユーザーが自宅のPCやタブレットから手軽に動画を作成できることも大きなメリットだ。これにより、個人クリエイターやスモールビジネスのオーナー、一介の会社員でも、プロフェッショナルな品質の動画コンテンツをいつでも手軽に発信することが可能だ。
3. 原稿作成の手間を減らせる
また文章を書くことが苦手だったり、台本制作の経験が無い人にとって、動画で使用するテキストの作成は大きなストレスとなる。それが動画用ともなると、さらに「つらい……」と感じてしまう人もいるだろう。しかし、『Vidnoz AI』はツールのなかにAIによる文章生成機能も用意されているので安心してほしい。これを利用すれば、動画の原稿作成にかかる時間と労力を大幅に削減できる。主要なポイント、キーワードを入力するだけで、AIが適切な文章を生成し、動画のナレーションや字幕として利用できるのだ。
4. AI翻訳&吹き替えで海外向けの発信にも対応
グローバルで発信したいときにも、簡単に対応できる。作成した動画を複数の言語に翻訳し、自然な吹き替えを施すことで、言語の壁を越えた情報発信が可能になる。これにより、国際的なオーディエンスへのリーチを容易に拡大できるというメリットがある。
あるいは海外クライアント向けのプレゼン動画を制作することで、商談の際の齟齬を極力減らし、十全に内容を伝えることができるというのも大きな魅力だろう。
実際に動画を作ってみた!
さて、言葉で「簡単に作れる」「メリットがたくさんある」と言われても、どんなものかわからなければなかなか手が出しづらいだろう。今回は実際に有料プランで動画を作ってみたので、ぜひその目で確かめてほしい。ログインすると、初回は使い方を簡単に案内してくれる。
今回は「履歴書」というテンプレートを使って、筆者が愛する「狛犬」(神社などにたたずんでいる、あの狛犬のことだ)を簡単に紹介する動画を作ってみた。まずはテンプレートの一覧から、好きなデザインを選択してみよう。
今回選択したテンプレートには元から女性の立ち絵が含まれているが、これは自身の写真に置き換えることができる。このマリアという女性の部分に自分の写真を当てはめてみよう。
手元にある写真から、顔が正面にあるものをアップロード。右下の「背景を削除」を選択すると、背景を取り除いた自分の写真が作成できる。あとは、画面に表示させる部分のテキストを変更したり、読み上げてもらうスクリプトを変更するだけ。表示デザインは多くの人が使い慣れているであろうスライド制作ツールの感覚で使うことができた。
また一人でプレゼンするだけでなく、2人の会話も作ることができたので、これも実際に試してみた。
左右にキャラクターを設置して、会話の台本を入れるだけ。簡単かつ、直感的だ。キャラクターに動きをつける指定もできたが、一発ではおもったところに動きをつけることができなかった。しかし、2回3回繰り返すうちに制作の精度があがりそうな予感がすでにしている。とにかく、全てが直感的に動かせるので、ほぼ迷うことがないのがとにかく嬉しい。
最後は画面上の「生成する」をタップすれば、動画のエクスポートをおこなえる。
出来上がった動画がこちら。
驚いたことに、写真でアップロードした筆者の口が動き、しゃべっているように見える! この程度なら、制作自体は5分ほどでおこなえるので、非常に手軽だ。テンプレートも豊富にあるので、カスタマイズが苦手な人でも簡単に作れそうなサービスだと感じた。
動画制作&投稿に目覚めそう……!
今回の体験では有料プランを使用したが、『Vidnoz AI』には無料プランと有料プランがある。それぞれで利用できる機能やサービスに違いがあるので、簡単に解説しておこう。
無料プランでは、1日あたり1分のビデオ作成が可能で、1100以上のAIアバターと20個のAIスクリプトを毎日使用できる。ビデオの解像度は720pでエクスポートでき、ウォーターマーク(透かし)が付く。基本的なAIツールへのアクセスはあるが、一定以上の機能には利用制限があるプランだ。初めての人は、ここからはじめるといいかも。
日常的に使いたいなら、スタータープラン(月額2,075円/月、年間契約の場合)へ。月に15分のビデオ作成が可能となり、1,200以上のAIアバターと1240以上のAIボイスを利用できるほか、1080p(フルHD)解像度でウォーターマークなしのビデオをエクスポートできる。また感情表現ができるボイスを使えるようになり、追加で3つのアバターライト(30秒の自撮り動画をアップロードするだけでデジタルツインを作成できる機能)を作成できる。
さらに上の業務として使うレベルであれば、ビジネスプラン(月額9,073円/月、年間契約の場合)や法人用のエンタープライズプランも用意されている。ビジネスプランではボイスチェンジャー機能や同機能を利用して自分の音声をクローンすることができるようになったり、共同編集機能を使えるようになったりと、よりビジネスに向いた機能へのアクセスが開放される。
さて、今回一通り『Vidnoz AI』を使ってみて感じたのは、無料でも十分アバターやテンプレートが充実している点だ。この手のサービスでは得てして「無料版は数種類のサンプルを使えるだけ」ということも多いが、『Vidnoz AI』であれば1200以上のアバター、2800以上のテンプレートを使って動画を作ることができる。生成できる動画の長さは1日につき3分までという制限こそあるものの、商用利用も可能だ。
ふだん見ているTikTokやYouTubeも、これを使えば発信する側に回れるのでは、と感じた。伝えたいことがあるけれど、動画にチャレンジできていない……そんな人の「最初の一歩」に最適かもしれない。
筆者が特に魅力的に感じたのは、自分の写真をしゃべらせることができる点だ。結婚式や授賞式などのお祝い事で「コメント動画ください」と言われたときなど、動画を撮らなくても、写真とスクリプトを用意すれば、コメント動画を出すことができてしまう。別途、有料で自分の声を使うこともできるので、完全に自分が話して撮影したような動画も生成可能とのこと。しかも、用意したスクリプトを読み上げさせるため、噛んでしまったり、早口になってしまう失敗もない。
使えば使うほど、用途が出てきそうな『Vidnoz AI』。ぜひ、一度楽しみながら作ってみては。