米大統領専用車「ビースト」は走る最強のテクノロジー? 歴史なども含めて解説

「ビースト」は走る最強のテクノロジー?

昔の大統領専用車は市販車だった!?

 その歴史は最初にMLBの始球式を行ったことでも知られる27代大統領ハワード・タフト時代に遡る。1910年代にホワイトハウスに自動車を導入したことが専用車の始まり。そのころはまだ自動車自体が少なく専用装備の概念とは違うものだ。現在のように防護重視の専用車として登場したのは1938年。キャデラック社のオープンカーが導入され、武器や無線機、発電機を積載していた。

 1941年に太平洋戦争が始まると連合国と枢軸国の諜報合戦が激しくなり、護衛の観点からもより安全性の高いクルマが求められるようになった。ユニークなのは当時の専用車は暗黒街を牛耳っていたアル・カポネが所有していた防弾仕様のキャデラックを改装して使っていたエピソードも。これは氏の逮捕後、押収したものだ。

 そして歴史上もっとも有名な一台は1961年製の『リンカーン・コンチネンタル・コンバーチブル』だろう。荒天時には強化アクリルガラスのバブルトップを装着可能。このリンカーンは1963年のあの35代ケネディ大統領暗殺時のクルマとしても知られる。なおケネディ大統領はキャデラックも使用していた。

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 そして40代大統領となったロナルド・レーガンだけが使ったモデルが1984年に納入された『キャデラック・フリートウッド・プレジデンシャルリムジン』。このクルマのエンジンは140PSを誇る6リッターのV8といわれている。

 その後、1989年の(パパ)ブッシュの『リンカーン・タウンカー』、1993年のクリントン大統領の「キャデラック」へと変わった。前者は執務室的な色が強く、後者は衛星通信などハイテク装備満載で最新テクノロジーの塊だ。

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 時は流れて、2009年のオバマ大統領就任式には新時代のビーストが採用された。最強生物マシン、「ビースト」は前トランプ大統領の時には日本円で17億円もかけてさらにレベルをあげたという。国家元首の執務室としても、これからも活躍していくことだろう。

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