「ぶいすぽっ!」をリードする姉妹コンビ 花芽すみれ、なずなの“多面的な魅力”を紐解く
「ぶいすぽっ!」の風紀委員としての顔も持つ花芽すみれ
花芽すみれといえば、銀髪・ボブカット・色白なビジュアル、厚手で暖かそうな服に袖を通している姿を思い浮かべるファンが多いだろう。声が小さく細めの声、ウィスパー気味な声質ということもあり、どこか気が弱そうでシャイな印象がもたれがちだ。
その声色でもって雑談配信では柔和にリスナーに話しかけることが多いが、これがゲーム配信となると一転、気分が高まってワイワイと元気に話しはじめ、ボケ役となって積極的に会話を面白くしようと動くことも多い。
そんななかでも、彼女自身は一定のラインを超えないようにと自制した配信を心がけているようで、筆者が見ているなかでは不用意・不適当な言葉や発言は発することは少ないように感じられる。危ない言葉遣いでボケようとはしない、といったところであろうか。
こうした花芽すみれの意識と紐づいた企画配信といえば、『ぶいすぽ風紀チェック』であろう。多くのリスナーに見られるようになってきた「ぶいすぽっ!」メンバーの配信のなかから、「ちょっとこれはいかがなものか?」というシーンをリスナーから集め、彼女がセーフかアウトかを判断するという内容だ。
花芽すみれ個人のセンスとリスナー側のコメントをもとにしたエンタメ企画となっており、リスナーから送られてきたクリップや切り抜きに残されていたのは、様々なきわどい発言・セリフの数々。
その多くが狙って笑いを取りにいったパターンが多く、悪ノリで乗っかってより大きく広げてしまったもの、はからずも噛んでしまったり間違ってしまったものばかり。「ぶいすぽっ!」メンバーが日頃見せている表情・面白シーンを集めた内容として秀逸な企画配信である。
一方で、争い事を好まない繊細な一面もある。昨年大きな盛り上がりを見せた『VCR GTA』に参加された際には、「ゲームの世界観上しょうがないとは思うけども、みんな怖かった」「配信終わった後、ちょっと泣きそうになって。それが面白いと思う人もいるだろうけど、すみれはちょっとのんびりと平和にやりたい」とリスナーに伝え、1日目でやめてしまったことがある。初回開催だったこともあり、参加者も前のめりかつ殺伐としており、その空気に大きな戸惑いを感じてしまったのだという。
その後はリベンジとばかりに『Grand Theft Auto V』を使ったサーバー企画「ストグラ」に参加、より平和で穏やかなコミュニティに惹かれ、救急隊員として活動するようになった。
犯罪行為には手を染めないと強く誓い、患者との別れ際には「お大事に~」と添えるのを忘れない。彼女の優しさ・ピースフルな性格が前面に出ていたように見える。
2回目の開催となった『VCR GTA2』に参加した際には、救急隊のチュートリアル兼サポート役を担い、途中からは警察へと転じて、新人警察官として街を奔走。「みんな怖かった」と語ってやめてしまった前回とは違い、さまざまに経験を積んだ彼女は、無事楽しむことができたのだった。
そんな常識的な一面を持つ彼女だが、独特のワードセンスや感性といった変わった側面も持ち合わせており、ときには尖ったエピソードを披露することも。
そのなかで最もインパクトがあるエピソードといえば、彼女の“とある伝説”が原因で作られた「ぶいすぽっ!」のルール、「Uber Eats禁止令」だろう。
原因となったのは、彼女が『第1回 Crazy Raccoon Cup』の大事な場面でUber Eatsが届いてしまったこと。メンバーに許しをもらって食事を受け取り、急いで対戦に戻ると無事に勝利、大会優勝を勝ち取るということがあったのだ。
大会中に出前頼んで受け取り行ったの伝説残した女って言われてて申し訳ない気持ちと恥ずかしさで胸が苦しい
おはようございます。— 花芽すみれ👾💤 (@sumire_kaga) August 29, 2020
「大会中に出前を頼んで試合中に受け取る」という、これだけでもなかなかのエピソードなのだが、これから数年後、ぶいすぽっ!メンバーがとある大会に参加・配信をしていた際に、「18時以降に大会などに参加をしている際は、Uber Eatsを頼むことが禁止されている」ことが明らかになり、その原因となったのが花芽すみれであることも暴露されていた。
こういった笑えるシーンを生み出す一方で、自分が楽しむゲームや属するコミュニティと適度に距離を取りながら、本来の温和なパーソナリティが傷つくことないようにと活動を続けてきた花芽すみれ。
そのスタンスはぶいすぽっ!内外を通してもオリジナリティあるものとして広まっており、今後の活躍・活動でも、彼女の一挙手一投足は注目を集めるだろう。