『Stranger Things VR』はキャラゲーにあらず ヴィラン視点での追体験と尖ったホラーは一見の価値アリ
自宅が「未知の世界」に侵食されるMR体験も 原作ファンには是非オススメしたい傑作
随分と暴力的な内容ばかりを書いてきたような気がするが、もちろん本作の魅力はそれだけではない。ゲームで描かれる物語は、各シーズンを辿りながら、やがてシーズン4のクライマックスであるイレブンとマックスの物語へと向かっていく。(さすがにケイト・ブッシュは流れないが)その帰結は原作と同様に美しいものであり、約5~6時間のゲームプレイを終える頃には、現在制作中の最終シーズンがもっと楽しみになることだろう。
また、グラフィックにおいても、本作全体における絵画のようなアートスタイルは原作の魅力を壊すことなく、それぞれのキャラクターの魅力をうまく引き立てているように感じられた。気になるVR酔いについては、移動時に視野を狭くするという対策は施してあるものの、「左スティックで移動+右スティックで細かく視点変更」の一種類しか操作方法が実装されていないため、比較的酔いやすい部類に入る。適宜休憩をしながらプレイを進めていってほしい。
さらに、本作には『Meta Quest 3』用の複合現実(MR)体験も用意されており、原作にも登場するマレー・バウマンとのやり取りをきっかけに、自室そのものが未知の世界に侵食され、壁にポータルが空いたり、自室内に怪物が襲いかかってきたりといったユニークなゲームプレイを楽しむことができる。
近年のxR業界といえば、『Meta Quest 3』や『Apple Vision Pro』などに象徴されるようにMR方面に注力している印象があるが、(あくまでオマケ程度とはいえ)本作ではその魅力を味わうこともできるというわけだ。
『Stranger Things VR』は、人気ドラマである原作の魅力を、ヴィランであるヴェクナを軸とすることによって新たな視点と体験とともに味わうことができるVRならではの良作であり、原作ファンには是非オススメしたい作品だ。
とはいえ、本稿でも再三注意を促しているように全体的にホラー・バイオレンス色の強い作品となっているため、迂闊に手を出すと痛い目に遭うかもしれないということは、あらためて強調しておきたい。だが、ここまで振り切っているからこそ、本作はファンサービスの枠を超えた極めて印象的でユニークな作品となっている。一人の原作ファンとしては、その見事な仕上がりに感服するばかりだ。
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