ド派手な「トドメの一撃」はVRならではの“ブッ飛び体験”だ! 『Brazen Blaze』βテストレビュー

『Brazen Blaze』βテストレビュー

 2月6日から13日の期間、MyDearest(『東京クロノス』、『ALTDEUS: Beyond Chronos』など)が開発を手掛けるVR対戦アクションゲーム『Brazen Blaze』のオープンβテストがMeta QuestとSteam向けに実施された。本稿では、昨年10月に実施されたαテストに続いてプレイレポートをお届けする。ちなみに環境については、Meta Quest 3+Steam VRでプレイを実施している。

期待値の高さをさらに更新する出来栄えに

 国産VRゲーム会社のなかでも特に作品のクオリティの高さに定評のあるMyDearestが開発を手掛けているということもあって、今後発売予定のVRゲームのなかでも特に注目を集めている印象のある『Brazen Blaze』。個人的にも昨年10月のαテストを通して、その直感的で爽快なプレイフィールとVRならではの人間離れしたエクストリームな対戦のカオスな魅力に病みつきになってしまい、同作の正式ローンチを心待ちにしている一人である。今回のオープンβテストは、そんな期待値の高さをさらに更新してくれるような、「もう、このまま出してくれても良いんだけどな」と感じさせてくれるくらいの見事な出来栄えだったように思う。

 ゲーム自体の詳細については前回のプレイレポートにまとめており、基本的な部分については変わっていないので、本稿ではα版からの分かりやすい変更・改善点についてまとめていきたい。

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『Brazen Blaze』はMyDearestが開発・パブリッシングを手掛ける、VR専用の対戦アクションゲームである。これまで…

 今回のオープンβのバージョンでは、α版の時点では実装されていなかったマッチメイキング用のロビーエリア(日本語のキャッチーなポップ・ソングが流れている!)が用意されており、マッチメイク後もそのエリア内でキャラクター選択を行うことができるようになっていたり、(未実装ではあったが)ショップエリアが設けられているなど、よりゲームとしての全体像が想像できるような状態になっていた。また、全体的にキャラクターや武器のモデルがかなりブラッシュアップされており、銃のモデルを眺めるのが好きな筆者としては、丁寧に仕上げられたポップな武器や自分自身の姿を見るだけでも楽しい。もし武器練習場などが追加されたら、それだけでも満足できてしまいそうだ。

 また、肝心のバトルにおいては、α版でもプレイ可能だった3人のキャラクター(ライオット、レガシー、スカイボルト)に加えて、新たにベルベットとサンシャインの2人が追加され、より幅広いプレイングを楽しむことができるようになった。それぞれの性能を紹介しておこう。

ベルベット
メインウェポン : フォトンブレード(ダメージの高い近接武器。トリガーボタンでチャージ。攻撃時に衝撃波が追加される)
スキル : ショータイム(ブースト速度を強化。発動時、範囲内の敵ロックオン機能を一時停止)
アルティメット : ファイナルカット(光の大剣を生成し、攻撃時、前方広範囲へ衝撃波による追撃が発生)

サンシャイン
メインウェポン : ヘイゼンボム(投擲後、着弾地点で爆発。両肩に装備しており一定時間で再使用可能)
スキル : ブームボム(前方へ噴き上がる爆発攻撃)
アルティメット : ビッグバンジョーク(動力を解放した自爆を行う。自身を中心に大爆発が発生。自身もダメージを受ける)

 既存の3キャラが近接/銃撃をともに使いこなすバランス型(ライオット)、シールドを活用した近接型(レガシー)、銃撃メインの遠距離型(スカイボルト)という、本作の醍醐味でもある近接攻撃と銃撃戦のバランスを意識したものだったのに対して、ベルベットは剣を、サンシャインに至ってはまさかのグレネードをメイン武器として操るキャラクターとなっており、より幅広いスタイルを試しながら戦場に身を投じることができる。

 個人的に気に入ったのはベルベットで、ブーストで間合いを一気に詰めながらザクザクと相手を切り刻むのがとにかく気持ち良い。また、うまく近づくことができなくても、衝撃波を放つことによって離れた距離からしっかりダメージを与えることができるのもうれしいところだ。一方でサンシャインに関しては、そもそも普段プレイするシューターでもグレネードをメインにプレイすることは皆無に近いうえに、自分も敵もステージ内を縦横無尽にビュンビュン飛び回っているということもあって、うまく爆風を当てることができずになかなかに苦労することが多かった印象である。とはいえ、試合の様子を見ていると、味方のサンシャインが容赦なく的確にグレネードを放り込んで相手を蹂躙する場面を見ることも珍しくなかったので、要は慣れの問題なのだろう。実際、サンシャインを選んで、相手に向けてグレネードを投げまくるのが楽しくないのかというと、そりゃ楽しいに決まっている。

渾身パンチの魅力は残しつつ、シューターとしての気持ち良さが改善

 ゲーム全体のバランスについては明確に変化を言い切ることはできないのだが、少なくともαテストのときに鮮烈な印象を残した、「銃撃でダメージを稼いだり牽制しながら、一気に間合いを詰めて渾身のパンチを叩き込む」という本作の最大の魅力は変わることなく、わずかに銃撃の当たりやすさやダメージ量が増しているような印象を受けた(あくまで印象である)。αテストでは銃撃だけで相手を倒すのは相当に難しそうだと感じていたのだが、今回のβテストでは(特に銃メインのスカイボルトは)銃だけでも十分に相手の体力を削ることが可能で、よりシューターとしての気持ち良さを感じやすくなっていたように思う。

 とはいえ、本作の最大の魅力が「近接でトドメを刺す」ことにあるのは変わらない。今回のβテスト版で最も印象に残っているのが、ゲームの勝敗を決するラストキル時に繰り出される「現実でやっちゃいけないトドメの一撃」が正式に各キャラごとに実装(αテストでは一つのモーションだけ用意されていた)されたということで、やりすぎなくらいド派手な演出・エフェクトとともに、相手を完膚なきまでに叩きのめすことができるようになったのだ。

 たとえば、ライオットの場合であれば、相手を思いっきりぶん殴って宇宙の果てまで吹き飛ばすことができる。どのキャラクターの演出・エフェクトも丁寧に作り込まれており、吹き飛ばす側が気持ち良いのは当たり前だが、吹き飛ばされる側としてもその派手さに笑ってしまう(また、早々に戦闘を離脱して戦場を眺めているときでも十分に面白い)。普段のPvPゲームでこんな演出を見せられたら、ただでさえ膨れ上がっている苛立ちが爆発してもおかしくないのだが、本作の場合はそれを楽しめてしまうというのは、やはりVRならではのブッ飛んだ体験こそが本作の魅力だからなのだろう(もちろん個人差はある)。

 今回の『Brazen Blaze』のオープンβテストでは、αテストの際に感じたVRならではの唯一無二のカオティックで爽快な魅力はそのままに、より製品版としてのイメージや、プレイスタイルの幅広さを実感しながらバトルに没頭することができるようになっていた。今後も、今春を目処にオープンβテストの第二回を予定しているとのことだったので、興味のある方はぜひチェックしてみてほしい。

© 2023 Meta. Oculus logo are trademarks and/or registered trademarks of Meta in the U.S. and/or other countries.
© 2023 Valve Corporation. Steam and the Steam logo are trademarks and/or registered trademarks of Valve Corporation in the U.S. and/or other countries.
© MyDearest, Inc.

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