『世界の果てに、ひろゆき置いてきた』#1ーーひろゆき、アフリカでヒッチハイクができずディレクターにやつあたり? 「車で轢かれたら、誰か止まってくれるだろう」

『世界の果てに、ひろゆき置いてきた』#1

 ABEMAの新番組『世界の果てに、ひろゆき置いてきた』のエピソード1が配信された。

 同番組は、実業家の西村博之(以下、ひろゆき)をナミビアにあるナミブ砂漠のど真ん中に置き去りにするという内容。YouTubeやSNS上では論理で相手を圧倒するひろゆきを、論理が通じない過酷な世界に放り込んだらどうなるのかということを目的とした番組だ。

 エピソード1の冒頭、砂漠の真ん中に置かれたひろゆき。軍資金を渡されると「100ドル札なんて使ったことない。偽札だと思われますよ」と早くも愚痴をこぼす。しかし、そうは言いながらも、前へ前へと足を運ぶ姿や、見知らぬ土地で果敢にヒッチハイクする姿は頼もしい。

 さらに足元に見えたトカゲを見つけて「砂漠のトカゲは白いんですよ」と自然を楽しむ余裕っぷり。論理的なイメージの彼が、触れなくてもいいような無駄を楽しむ姿は貴重だ。

 ヒッチハイクをするのは、生まれて初めてだというひろゆき。怖気付かずに車が通ればにこやかに手を挙げるのだから、そんなことを微塵も感じさせない。

 そして、ロッジがあるゴアコンテスまでの車に同乗させてもらえたのだが、そこはオアシスと呼ばれるだけあり、これまでの砂漠とは打って変わって、食事が売られ、道は整備されているようなしっかりとした場所だった。

 そこで偶然にも空手を教えているという先生とその生徒合わせて100人と出会う。広大な砂地と自然に囲まれたナミビアの真ん中で「イチ、ニ、サン、シ」と日本語の掛け声が響くのは、なぜだか不思議な感じだ。これは空手の教師がかつて日本に住んでいた頃の名残。しかし、ひろゆきに「你好」と話しかける少年少女たちは、本当に意味を理解して掛け声をかけているのかは少々疑問に感じた。

 というのも、施設のオーナーによると、この地域には教育が行き届いていないと言う問題もあるらしい。動物を見る機会が少ないことから、池であひるが泳いでいるのを見て「何かが溺れている」という子どもがいたというほど。月並みな言葉ではあるが、当たり前のように感じていた教育も、世界のどこかでは高貴で手の届かないものである。この現状に、私たちはもう少し感謝しなければいけないなと感じた。

 ちなみに1話にして、同行する豊川Dに苦言を呈する場面も見られるのだが、それでもただの嫌味な人、怖い人と映らないのには理由がある。1つは、豊川Dの人間性。ひろゆきが軍資金を渡されてすぐ焦ってお金を落としてしまうシーンがあるのだが、そこで豊川Dは「一旦、落ち着きましょ! あれ? 台本どこだ? 俺も落ち着かなきゃ」とポロリ。さらに、ヒッチハイクするもなかなか車が捕まらず、少々苛立ち始めるひろゆきが「豊川さんが車で轢かれたら、誰か止まってくれるだろうに」と発言。これに対しても「なんでそんなことを言うんですか!」と言わず、その言葉にノっかる形で賛同して見せた。この朗らか具合が視聴者をピリつかせないのではないだろうか。

 そして、もう1つの理由は、このやりとりをあえて残している編集の妙だ。もしもひろゆき本人の声のみ、スタッフの声は拾わない形式であれば、もっと怖い人に見えていたのかも知れない。ただ、通常はカットするであろう豊川Dの返しや、ふたりのやりとりを残すことで、勧善懲悪ではなく両者共にどっちもどっちであるような見せ方になっているのだ。これは、同番組のプロデューサーでもあり、『家、ついて行ってイイですか?』(テレビ東京系)でさまざまな人々のドラマを取り上げてきた高橋弘樹プロデューサーならではの余白の作り方ゆえだろう。

 今後待ち受けるさらなる試練において、ひろゆきという人間をどう切り取るのか期待したい。

『世界の果てに、ひろゆき置いてきた』#0ーーひろゆき、アフリカでヒッチハイクするも煽られる 東出昌大、Toshiとのサバイバル共演にも期待

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