SNSで話題を呼ぶ、丸沼高原の”無人ライブカメラ” コメントすらできない映像に人が集まる理由とは?
YouTubeには、“ライブカメラ”というジャンルがある。ある場所でカメラを固定し、その風景をYouTubeで流し続けるというというものだ。
ライブカメラ界隈で最近話題なのは「【ライブ配信】丸沼高原 レストランとんふぁん」のだ。2020年11月に配信をスタートしてからたびたびSNSでバズっており、いつ動画を開いても数十人の視聴者がいる。なんてことのないこのライブカメラがバズった要因は、「コメントができないこと」と「緊張感のある雰囲気」にあると考える。
まず、「コメントができない」ことによって、視聴者は動画の感想や意見をYouTube以外のプラットフォームで発散せざるを得なくなる。この流れが定期的にTwitterで拡散され、注目を集めている要因ではないだろうか。
真夏に丸沼高原スキー場の無人のライブカメラを見てる20人は何者なんだ
【ライブ配信】丸沼高原 レストランとんふぁんhttps://t.co/wt0lcCaW5v pic.twitter.com/68huAI2do2
— ゆるふわ怪電波☆埼玉 (@yuruhuwa_kdenpa) July 17, 2023
オフシーズンのスキー場のレストランな上にチャット欄がオフなのにこの時間に11人も居る配信を見つけた… pic.twitter.com/XPrw2CGFaF
— あみなみ (@amimi_n_min) May 27, 2023
そして、「緊張感のある雰囲気」だが、薄暗い光が入っていることや、ポツンと置かれたぬいぐるみ、夥しい数の椅子など、全体的に少し不気味な世界観に感じる。ホラー感もありつつパラレルワールドにも近いテイストの雰囲気だ。都市伝説で有名な『The Backrooms』のような、不穏だけどなぜか見てしまうという不思議な魅力がある。Twitterでも、「コメントがないから味が出る」「定期的に見ています」といった反応があり、このライブ映像に不思議な魅力を感じている視聴者も多いようだ。
※The Backroomsとは、オフィスルームがいくつもランダムに生成されて出来上がった無限に続く迷路状の空間についての都市伝説のこと。
ライブカメラは、ほかにも至るところに設置されている。国内ではスクランブル交差点や歌舞伎町に設置されているが、世界に目を向けると「こんなところにまで?」と感じるような場所にもカメラが設置されている。
たとえば、こちらはケニアのライブカメラである。日本から1万km離れた地に住んでいるアフリカゾウを部屋にいながら見ることができる。はるか遠く離れた生き物をリアルタイムで眺められるのは、稀有な体験ではないだろうか。
また、眺めるだけではなく実用的な使い方をしているライブカメラもある。
こちらは、京都の無人弁当販売店「太秦弁当村 伏見店」のライブカメラだ。このように、品揃えを確認するためにライブ配信をしているところもある。斬新な方法だが、在庫状況が一目でわかるうえ、万引き防止にもつながるため、お店にもお客さんにもメリットがあり、一石二鳥の使い方だ。
ここで紹介した事例はほんの一部にすぎず、ほかにもライブカメラは多種多様な使い方をされている。YouTubeは、YouTuberや芸能人の動画を見るために利用することが多いと思うが、たまにはライブカメラを覗いてみるのもおもしろい。今まさに現実で起きている映像が見られるのは、ライブカメラだけの特権だ。
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