「ゲームやサブカルは“学びの種”」――カルチベートされた人間を目指すグラビアアイドル・吉田早希のルーツを探る

グラビアアイドル・吉田早希のルーツを探る

 ゲーム好きの著名人・文化人にインタビューし、ゲーム遍歴や、ゲームから受けた影響などを聞く連載“あの人のゲームヒストリー”。今回話を聞いたのは、グラビアアイドルの吉田早希だ。

 標高90センチ・Hカップという、絢爛なプロポーションを持つ彼女。その華麗なバストをそびえ立つ山にたとえ、ファンからは“吉田山”の愛称で親しまれている。

 そんな“吉田山”の趣味は、“ゲーム、サブカルチャーの探求”――。

 ゲームをはじめ、マンガ、アニメ、音楽、パソコン、インターネット……まで幅広く精通し、話を聞けば聞くほどに、「なぜ、そんなことまで知っているの?」と、その深い知識と教養に驚かされる。

 いったい、彼女にとってゲーム(およびサブカル)とはどのような存在なのか……名峰“吉田山”の源流を探る。(ローリング内沢)

ほとんどのゲーム機が揃い、プレステは2台もあった我が家

ーーはじめて遊んだゲームは?

吉田:ゲームボーイの『Sa・Ga2 秘宝伝説』です! 年齢的にはたしか、幼稚園か小学校低学年のころだったかな。

 私には、お兄ちゃんがふたりいるのですが、ふたりともゲームが好きなので、私が物心ついたときには、もうすでに家には数多くのゲーム機とゲームソフトがあったんです。

 ですから、ゲームボーイも『Sa・Ga2 秘宝伝説』も、お兄ちゃんのを借りてプレイしていました。

 ちなみに当時、我が家にはテレビが2台ありましたが、両方ともコンシューマーゲーム(機)を遊ぶためにお兄ちゃんたちに占領されていて、私が自由にプレイできるのって携帯ゲーム機しかなかったんですよ。

 そんなこともあって、初めてゲームボーイで『Sa・Ga2 秘宝伝説』を触ったときは、「ついに自分で遊べる!」とめちゃくちゃ嬉しかったのを憶えています。

――ときには、お兄さまと一緒にゲームで遊ぶことも?

吉田:私といちばん上の兄(長男)は10歳違い、2番目の兄(次男)は8歳違い……だいぶ年が離れていたこともあって、ゲーム仲間にはほとんど入れてもらえませんでした。

 基本は、お兄ちゃんたちがプレイしているゲームを後ろで見ていることが多かったです。私が小学校の中・高学年のころ、よく兄がプレイしていた『学校であった怖い話』や『(やるドラ)ダブルキャスト』をずっと後ろで眺めていたのを憶えています。

 なので、一緒にゲームを遊んだ記憶は、ほとんどないんですよ。

 いつぞや、兄とその友人が我が家に集まって、ファミコンの『ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会』を楽しそうに遊んでいるのをみて、「私も仲間に入れて欲しい!」と羨ましく思っていましたもん(笑)。

 けれど、いちばん上の兄はかなりのゲーム好きで、('90年代)当時の東京ゲームショウにもよく遊びに行っていて、よくお土産で(会場で無料配布されていた)“ゲームの体験版ディスク”をもらってきてくれた思い出もありますね。

 ちなみに、我が家にあったゲーム機は、パッと思い出せるかぎりですと、ファミコン、ゲームボーイ、スーファミ、プレステ、セガサターン、ドリキャス、ネオジオCDなど……ほかにも、もっとあったかもしれません。

 しかも、兄同士がケンカになってしまううので、我が家にはプレステが2台、もありましたから(笑)。

――そのような環境のなか、当時、ご自身はどんなゲームライフを?

吉田:小学校高学年のときは、中学受験の準備で自宅からひと駅離れた塾に通っていたのですが、塾に行くときは、親から電車賃とその日のお昼ご飯代をもらえたんですね。

 たまに塾をサボって、そのお金で『週刊ファミ通』と駄菓子を買って、近所の公園でそれを読みながら時間をつぶす、ということもしていました(笑)。

 勉強に追われて、なかなかゲームをする機会は減っていましたが、そのぶんゲーム雑誌は良く読んでましたね。

――これまでプレイしたゲームのなかで強く心に残っている作品は?

吉田:それこそ本当にたくさんあるんですけれど、ひとつ挙げるとしたら『MOTHER2 ギーグの逆襲』です。

 高校生のとき、お兄ちゃんの友だちにオススメされて遊んだんですが、クリアしたときはホントに衝撃を受けて……心の底から感動したのを憶えています。あと「一切、攻略本を読まずに遊んで良かったな」とも。

 斜に構えることもなく、素直に「エンターテイメントとはこういうことか!」「人を感動させるとはこういうことか!」という気持ちになったんですよね。

 当時は、“コピーライターの糸井重里さんが手掛けたゲーム”ということは知らなかったのですが、クリアしたあとにいろいろ調べて情報を集めた記憶もありますね。

――どのようなことを求めてゲームを遊ぶことが多いですか?

吉田:そうですね、遊ぶ作品にもよるんですけれど……。

 たとえば、スマホゲームの『クラッシュ・ロワイヤル』(以下、『クラロワ』)をプレイすることを、私は“一服(いっぷく)”と呼んでいるのですが、それこそお茶やコーヒーを飲んで休憩する感覚に近いんです。

 遅刻してタクシーに飛び乗ったときなんかは、とりあえず『クラロワ』を立ち上げちゃうことも多いです(笑)。

 マインド・リセットじゃないですけれど、焦っている頭をスマホゲームで落ち着かせたいんですよね。

 また、格闘ゲームに関しては、格闘ゲーマーの人となりや考え方などがとても面白くて、「その人たちの言葉や真意をきちんと理解したいな」と思って遊び始めた部分が大きいです。

 ちなみに、最近ダンスを練習しているんですけど、最初はぜんぜん振り付けが覚えられなかったのですが、「あ、これって格闘ゲームのコンボと同じかも」「振り付けのパートごとにわけて覚えて、あとでひとつにくっつければ覚えやすいな」と、格闘ゲームで身につけた経験を応用したりもしています(笑)。

――現在の仕事に就くうえで、ゲームから受けた影響は?

吉田:格闘ゲーム(や格闘ゲーマーの方々)から、その精神性を学ばせてもらったな、という気持ちはありますね。

 たとえば『ストリートファイター』シリーズの必殺技である“昇龍拳”って、プロゲーマーの方々ともなれば相手の動きに対して反射で技を繰り出せると思うんです。けれど、私はつねに「相手が飛んだら昇龍拳を出すぞ!」って意識しておかないと、なかなか出せなかったりもします。

 それって、お仕事でチャンスが来たときのタイミングと同じで、「チャンスが巡ってきたら掴む!」と思ってないと、逃がしてしまうこともあると思うんですよね。

 そういう、つねに上を目指す心意気といいますか、チャレンジ精神といいますか、そのような考え方は、格闘ゲーム(や格闘ゲーマーの方々)から影響を受けているかもしれません。

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